ドライバーのスライスが治らないという悩みを持っていませんか?
ところで、あなたのスライスの原因は何ですか?
一般的に「スライスはアウトサイドインのカット打ちが原因である」と言われますが、実はそれだけではありません。
スライスには大きく分けて「3つの種類」があり、それぞれに合った治し方をしないと、せっかくの練習時間がムダになる危険があるのです。
せっかく「スライスを治そう!」と頑張っているのに、まったく違う方向に進んでしまうともったいないですよね?
この記事では、次の順でお話を進めます。
- スライスが治らないなら、まずは「原因」を知ろう
- スライスは「3種類」
- 原因別のスライスの治し方
- そもそもスライスは治すべき?
この記事を最後まで読んでもらえると、なぜあなたのドライバーがスライスするのか?という原因と、あなたに合ったスライスの治し方が理解できるはずです。
ドライバーのスライスが治らないときは「原因」から知ろう
ドライバーのスライスを治したい…
上記のように悩み、「スライスを治すぞ!」と意気込んでいる方も多いと思います。
しかしここで一歩足を止めて、スライス改善に取り組む前にまずは「どうしてスライスするのか?」という原因を知らなければいけません。
なぜなら、原因がわからなければ治し方もわからないからです。
病院でも病状がわかるから薬を処方できるのであって、やみくもに薬を渡しても危険しかありませんよね?
このあとで説明しますが、スライスには「3つの種類」があります。
そして、それぞれ原因は異なり、当然治し方も違います。
まずはあなたのスライスがどれに該当するかを把握することから始めましょう。
そうすれば、無駄な練習時間やお金を費やさなくてよくなります。
スライスは3種類
スライスには「プルスライス」「ストレートスライス」「プッシュスライス」の3種類があります。
それぞれ、次のような球筋です。
- プルスライス:左に飛び出して、右に曲がる(安心)
- ストレートスライス:まっすぐ飛び出して、右に曲がる(ちょい危険)
- プッシュスライス:右に飛び出して、右に曲がる(超危険)
スライスなので「右に曲がる」という点で共通してますが、ボールが飛び出す方向に大きな違いがあります。
プルスライスは、フェアウェイの左端から真ん中に戻ってくるイメージです。構えた方向に戻ってくるので、OBなどリスクが少ない「安心できる球筋」ですね。
ストレートスライスは、フェアウェイの真ん中から右端に逸れていくイメージ。右のラフに入ったり、構えた方向が悪ければ右OBもありえる「ちょっと危険な球筋」です。
プッシュスライスは、フェアウェイの右に飛び出し、さらに右に曲がるイメージです。右OBの確率が非常に高く、想像するだけでもゾッとする「超危険な球筋」です(笑)。
上記すべてに「スライス」という名前がついてますが、それぞれ全く性質が違うことが理解いただけたと思います。
ちなみに、あなたはどのタイプのスライスでしたか?
球筋を決める要素
では、どうしてスライスには3つも種類が存在するのでしょう?
実はこれらは、①インパクト時のフェースの向きと②スイング軌道によって決まります。
理論上、ボールの打ち出し方向は「①インパクト時のフェースの向き」とイコールとされています。
たとえば、ボールが左に飛び出すということは、インパクトでフェース面が左を向いていたということです。反対に、右に飛び出すならフェースが右を向いた状態だったということですね。
一方で、ボールの曲がる方向を決定づけるのは「②スイング軌道」です。
たとえば、ボールがまっすぐ飛び出したにもかかわらず右に曲がるということは、フェース面はスクエアにできたものの、スイング軌道がアウトサイドインだったということです。
ここで注目すべきなのが、スライスは必ずしもアウトサイドインだけが原因ではないということです。
ポイントは「スイング軌道がどうであれ、軌道に対してフェースが開いていればスライスする」という点です。
たとえば、ドローボールを打とうとして右にプッシュアウトスライスする場面があります。
本人的にはインサイドアウトに振っているのに、なぜかスライスしてしまう、というケースです。
これは、インサイドアウトに振ってはいるものの、その軌道に対してフェースが開いていることで起こります。
このとき、スイング軌道より少しでもフェースを左に向けることに成功すればドローボールになるのですが、戻しきれずに起こった惜しいミス、ということです。
このように、ひとことで「スライス」といっても、それぞれでまったく性質が異なることがわかります。
そして、自分が普段どんなスライスを打っているかを知ることで、効率的にスライス改善に取り組めるのです。
原因に合ったスライスの治し方を選ぼう
さきほど挙げた3つのスライスのうち、あなたはどのタイプでしたか?
それぞれのタイプで原因が違うので、治し方もそれに合わせて行う必要があります。
①プルスライス
プルスライスは、左に飛び出してから右に戻ってくるような球筋でした。
フェース面とスイング軌道は、次のような組み合わせになっています。
- フェースの向き:クローズ
- スイング軌道:アウトサイドイン
プルスライスは結果的にアドレスした方向へ戻ってくるので、スコアメイクの点では全く問題がないタイプのスライスだと思います。
とはいえ、曲がり幅が大きいと飛距離が伸びないでしょうから、スライスの度合いを抑えたつかまったボール(一般的に「フェードボール」と呼ばれる球筋)が打てると最高ですね。
曲がり幅が大きいということは、それだけアウトサイドインのカット具合が大きいということ。
ですから、このタイプの方はインサイドからボール打つ意識を持つといいでしょう。
具体的には、右足を半歩~1歩くらい引いた「クローズスタンス」で構えます。こうすることで、インサイドからボールを打ちやすくなります。
また、プルスライスする人はアドレスしたときに肩や腰が開いて構えている人も多いので、アドレスにも注意を払いましょう。
②ストレートスライス
ストレートスライスは、ボールがまっすぐ飛び出してから、右に逃げていくような弾道です。
フェース面とスイング軌道の関係は次のとおりです。
- フェース面:スクエア
- スイング軌道:アウトサイドイン
狙った方向に対してフェースをスクエアに戻せていますから、惜しい球筋とも言えますね。
とはいえ、やはり右への曲がり幅は安定性や飛距離アップの点からも改善したいところです。
この場合、改善方法としては2つあります。
ひとつは、ドライバーのフェースをややかぶせて構え、左から右に曲がるフェードを狙う。
もうひとつは、軌道をインサイドインに修正してストレートボールを狙う方法です。
もっとも簡単なのは、アドレスでフェースを閉じてフェードボールを狙うやり方かもしれませんね。
フェースの向きを変えるだけですから、スイングを修正するよりもお手軽だからです。
ボールはインパクト時にフェースが向いた方向に飛び出しますから、フェースをかぶせれば自動的に左へと飛び出します。
アウトサイドインの具合にもよりますが、フェースの向きよりも若干カットに振れれば綺麗なフェードボールが打てるはずです。
ボールのつかまりがいいドライバーを使うのも、効果的な選択肢のひとつですね。
もうひとつは、スイング軌道をインサイドインに修正する方法です。
ちょっと時間がかかりますが、インサイドからボールをアタックできるようになると、ボールに対して効率的にパワーを与えることができるので、飛距離アップにつながります。
やり方は、最初のプルスライスと同じ。
右足を引いたクローズスタンスで構えると、インサイドから打ちやすくなります。
スライスの度合いが大きい人は、野球でいう「ライト前」に打つくらいの意識をもつと、つかまったボールが打てると思います。
③プッシュスライス
最後はドライバーでのプッシュスライスです。
フェース面とスイング軌道の関係は、次のような感じです。
- フェース面:オープン
- スイング軌道:インサイドアウト
もっとも厄介なのがこのプッシュアウトスライスでして、結構悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
どうして厄介なのかというと、ボールをまっすぐ飛ばそうとしているのになぜかボールが右にすっぽ抜けてしまう人が多いという点です。
これがドローを狙って右に打ち出す意図があるならOKだと思います。自分の「意志」でインサイドアウトに振ろうとした結果ですからね。
この場合、フェース面さえ管理できれば、綺麗なドローが打てるはずです。
問題は、意図しないプッシュアウトスライスです。
まっすぐ打とうとしたはずなのに、なぜか右にすっぽ抜けてしまう。
この場合、ほとんどはダウンスイングでシャフトが寝ているのが原因です。
シャフトが寝るというのは、言い換えるとヘッドが垂れ下ること。
ヘッドが大きいドライバーは、ちょっとしたことでヘッドが下に垂れてシャフトが寝やすいんですよね。
シャフトが寝るとフェース面は開くので、ボールは右に飛び出します。
シャフトが寝るとスイング軌道的にはインサイドアウトになりやすいのですが、それ以上にフェースが開いているのでスライスするという仕組みです。
ちなみに、スライスを嫌がってフェースを返すと今度はチーピンになります。
自分の意思とは無関係にドライバーがプッシュアウトスライスするという方は、ほぼ間違いなくダウンスイングでシャフトが寝ているはずです。
この癖は方向性にかなり支障が出るので、早めに治した方がいいと思います。
治し方については長くなるので、【効果大】ドライバーでプッシュアウトスライスが出る原因と直し方を参考にしてください。
そもそもドライバーのスライスは治すべき?
僕の個人的な意見ですが、スライスは「無理に治さなくてもいい」と思ってます。
なぜかというと、プロや上級者でもスライスを武器に戦っている人が大勢いるからです。
日本ツアーだと、時松隆光選手とか、ショーン・ノリス選手とか。
ドライバーですごく大きな曲がり幅のスライスを打ってますけど、2人とも優勝経験が何度もある、超が付くほどの実力者です。
もちろん、彼らと僕たちとではフィジカルな部分が全く違いますが、それがスライスを否定する理由にはならないと考えています。
なぜなら、スライスだろうがフックだろうが、結果的にフェアウェイにあればいいからです。なんならOBじゃなければラフでもOKですよね?
もちろん、意図しないプッシュスライスはOBの危険性がマックスなので、これは治すべきだと思います。
でも、プルスライスやストレートスライスなら、十分ゴルフになるはずです。
あらかじめ曲がり幅や方向が理解できていれば、構える向きだけ変えればいいのですからね。
もちろん、曲がりすぎは飛距離ロスにつながるので修正した方がベストですけど、「スライスは恥ずかしいから」という理由だけでドローに変えることはしなくても大丈夫かなと思います。
「俺は日本一のスライス打ちになるんだ~!」くらいの気持ちで、毎回フェアウェイをとらえている人は、とてもカッコいいですし、素直に「上手い」と思いますね。
「ドライバーのスライスが治らない」と悩んでいる方はとても多いと思いますが、「スライスも立派な武器である」ということも知っておいてもらえると嬉しいです(^^♪