アプローチのシャンクは、スコアメイクの上でとても面倒な存在です。
なぜなら、一度シャンクが出てしまうと、連続してシャンクする可能性があるからです。
そのため、この記事を読んでもらっている方の中には「シャンクが怖くてアプローチに集中できない」と悩んでいる人も多いと思います。
本来アプローチはターゲットに集中すべきですが、シャンクに邪魔をされてしまっては集中どころじゃないですよね。
シャンクは原因と防止策を知れば、決して恐れる存在ではありません。
シャンクが怖いのは「どうすれば直るかわからない」からであって、対処法さえ知っていれば急にシャンクが出てもすぐに直せるからです。
この記事は、次の順で話を進めます。
✓この記事の内容
- アプローチがシャンクする原因
- アプローチだけシャンクするのはなぜ?
- アプローチのシャンクを防止する方法
- 【すぐに直る】急なシャンクへの応急処置
アプローチのシャンクは、他のショットのそれとは原因や防止法が少し異なります。
ですので今回は、アプローチショットに特化して話を進めていきたいと思います。
この記事を最後まで読めば、アプローチでシャンクが出る確率を最小限まで抑えることができ、もしシャンクが出てしまっても慌てることなく対処できるようになるはずです。
アプローチがシャンクする3つの原因
シャンクとは、クラブの「ホーゼル(ソケット)」という部分にボールが当たることで起こる現象です。
「ペチッ」という嫌な音とともに、右斜めに飛んで行くのが特徴です。
シャンクの原因はさまざまですが、根本的にはネックがボールに近づくことによって起こります。
そして「どうしてネックがボールに近づいてしまうのか?」の原因を知ることが、シャンクを解決する重要な糸口になります。
アプローチがシャンクする原因は、主に次の3つです。
- つま先体重
- 体の起き上がり
- 手打ち
それぞれ詳しく解説します。
【原因①】つま先体重
アプローチがシャンクする原因として、つま先体重があります。
シャンクはつま先体重が原因である【中部銀次郎さんから学ぶ】で詳しく触れていますが、インパクトでつま先に多くの体重がかかると、体がボールに近づきます。
すると、同時にネックもボールに近づくのでシャンクの原因になる、ということです。
これは「つま先下がり」のライでシャンクしやすいのとまったく同じですね。
さらに、つま先体重はこの次に紹介する「体の起き上がり」の原因にもなるので注意しなければいけません。
【原因②】体の起き上がり
体の起き上がりは、シャンクの大きな原因のひとつです。
アプローチでは、多くのゴルファーの中に「ピンに寄せたい」という気持ちが強く働きます。
すると結果が気になり、インパクトよりも体が早く起き上がってしまいます。俗にいう「ヘッドアップ」と似た症状ですね。
体の起き上がりとシャンクの関係は、次のとおりです。
- 体が起き上がる
- シャフトが寝る
- フェースが開く
- シャンクする
体が起き上がって前傾姿勢が崩れると、ヘッドが下に垂れてシャフトが寝ます。
するとフェースが開くので、ネックに当たってシャンクする、という仕組みです。
打ち上げのパー3でシャンクが出やすいのも、ボールを高く打ち上げようとして前傾姿勢が伸び上り、シャフトが寝るのが原因です。
【原因③】手打ち
アプローチは振り幅が小さいため、どうしても手打ちの傾向が強くなってしまうものです。
実はこの手打ちも、アプローチでシャンクを引き起こす大きな原因のひとつです。
シャンクは基本的に、体からクラブが離れなければ起こりません。
なぜなら、体からクラブを離さない限り、クラブヘッドは構えた位置に戻ってくるからです。シャフトが勝手に伸びたり、自分からボールに近づかない限りは。
もう少しわかりやすく説明します。
試しに、グリップエンドをおへそにつけたまま素振りをしてみてください。おそらく、クラブヘッドはずっと同じ場所を通過すると思います。
しかし、インパクトの手前でグリップエンドを体から離してみたり、右腰を前に突き出したりするとどうでしょう?クラブヘッドが構えた位置よりも外側を通過するはずです。
これが、シャンクの根本的な原因です。
ちなみに、右腰を前に突き出す動きは、原因の2つめである「体の起き上がり」と同じ動作を表します。
アプローチは小さなスイングとはいえ、手だけで操作しようとすると体からクラブが離れやすくなり、シャンクの原因になってしまいます。
たとえば「アプローチはアウトサイドイン」という言葉に従って、手だけでテークバックしたとしましょう。
すると、多くの人は体からグリップエンドを離すようにしてテークバックするので、シャンクしても仕方がないというわけです。
アプローチだけシャンクする原因
普通のアイアンショットでは大丈夫なのに、なぜかアプローチだけシャンクするという人もいると思います。
これにはアプローチ特有の原因があると思います。
まずひとつめに、結果が気になるという点です。
アプローチは、ピンに寄せる、もしくは狙ったポイントに着弾させるという明確なターゲット(狙い)があるため、どうしても打った後の結果が気になるものです。
しかし、この意識がヘッドアップや体の起き上がりを引き起こし、シャンクの原因になります(原因②体の起き上がり参照)。
結果が気になる気持ちはとてもよくわかりますが、インパクトまでは前傾角度を維持してボールを打ち抜かなければいけません。
また距離の短いアプローチでは、手打ちの傾向が強くなるのもシャンクの原因です(原因③手打ち参照)。
フルショットなら体を使ってスイングできますが、アプローチは油断をするとつい手打ちになってしまいます。
距離の長い短いに関係なく、ゴルフでは体の回転を主体にしたスイングが大切です。
アプローチのシャンクを防止する方法
アプローチのシャンクを防止するには、次の方法が効果的です。
- かかと体重
- 体の回転でテークバック
- フォローで胸を目標に向ける
①かかと体重
かかと体重で構えると、体がボールに近づくことがなくなるのでシャンクを防止することができます。
さらに、かかと体重にすることで前傾角度を維持しやすくなり、体の起き上がりを抑制する効果もあります。
注意しなければいけないのは、インパクトまでかかと体重を維持することです。
アドレスでせっかくかかと体重にしても、インパクトでつま先に移動してしまっては意味がありません。
おすすめの練習は、つま先でボールを踏みながら打つ方法です。
つま先に体重が移らなくなるだけで、アプローチだけでなく通常のアイアンショットでもシャンクの確率を減らすことができますよ。
②体の回転でテークバック
アプローチのシャンクを防ぐには、手だけでクラブを操作する癖を取り除かなくてはいけません。
まず大切になるのが、テークバックを決して手だけで上げず、体の回転で行うことです。
体主導のテークバックを行うことで、体とクラブの距離を一定に保つことができます。
コツは、体の回転につられてクラブが上がるイメージです。
③フォローで胸を目標に向ける
アプローチでは、しっかりと左へ振り抜くことがシャンクを防止するためにとても重要なポイントです。
アプローチでシャンクする人の多くは、ヘッドを目標方向に出そうとしてしまいます。
しかし、ヘッドを目標方向へ振り抜こうとすると、シャンクが出やすくなります。なぜなら、体とクラブの距離が離れるからです。
しっかりと左へ振り抜けば、クラブと体の距離を保つことができ、シャンクを防止できます。
フォローでは左脇を閉めて、思い切って胸を目標方向に向ける意識で振り抜きましょう。
急なシャンクへの応急処置
ラウンドで急にシャンクが出ると、誰でも慌ててしまうものです。
ここまでに紹介した防止法でもシャンクを止めることができますが、不安であればこれから紹介する「応急処置」を覚えておくと安心でしょう。
ボール位置を左にする
ボールを左に置くだけで、シャンクの確率が激減します。
「アプローチのボール位置は右寄りでは?」と思うかもしれません。
確かにそのようなセオリーがありますが、自分を中心とした円運動であるゴルフスイングでは、フェースが開いた状態でインパクトをする右寄りのボール位置は、そもそもシャンクしやすいボール位置です。
ボールを左寄りに置くことで、フェースが閉じながらインパクトを迎えるので、シャンクの確率が激減します。
「ボールを左にするとダフってしまう」と心配になるかもしれませんが、ボールの手前からソールを滑らせるように打ってみてください。
ウェッジには「バンス」があるので、ダフらずにヒットできるはずです。
パターで転がす
シャンクが怖いなら、いっそのことパターで転がすのが得策かもしれません。
というよりも、パターで転がせるならアプローチを打つよりもカップに寄る確率は高くなるでしょう。
バンカー越えやラフでは使えないテクニックですが、シャンクすることは100%ありません。
パター以外にも、ユーティリティやフェアウェイウドで転がすのも、シャンク対策に有効な応急処置です。
絶対にダフらないアプローチ
絶対にダフらない、究極のアプローチがあります。
それは、ウェッジのヒールを浮かせたアプローチです。
やり方はとても簡単。ほぼ垂直にクラブを垂らし、ヒールを浮かせ、フェースを少しだけかぶせるだけです。
詳しくは【簡単】絶対にシャンクしないアプローチ【プロも使うマル秘テク】で説明していますが、シャンクを防げるだけでなく、アプローチの天敵であるダフリも回避できる方法です。
究極の応急処置といった感じですが、実際にやってみると簡単で、使えるアプローチだと感じてもらえると思います。
ぜひお試しください。