バンカーから一度で脱出できない、ホームランしてしまう、距離感がまったく合わない。苦手な人にとって、バンカーは「どんな球が出るかわからない」という恐怖との闘いです。
「寄せワンとまでは言わなくても、少なくともグリーンに乗って1ピンから2ピンには付けたい」というのが、正直なところではないでしょうか。
かく言う私自身も、サンドウェッジのフェースを開いて打つバンカーショットは苦手です。そのため、バンカーショットでストレスをかけないため、「バンカーショット専用のサンドウェッジ」を1本セットに組み入れています。
今回は、「バンカーはなぜ難しいのか」というお話を冒頭で紹介し、それを踏まえてバンカーの苦手意識がなくなる「おすすめのサンドウェッジ」をご紹介したいと思います。
バンカーがなぜ難しくなるのか?
まず最初に、なぜそこまでバンカーが苦手な人が多いのかという疑問から話を進めたいと思います。
バンカーショットのセオリーとして思い浮かべるのが、「オープンフェース&オープンスタンス」ですね。どのゴルフ教本や雑誌にも紹介されている、「超基本」の構えです。
サンドウェッジのフェースを30度くらい開いて、その分だけオープンスタンスにして、アウトサイドイン軌道で振る。
この教えに忠実にしたがっているハズなのに、ソールが跳ねてトップしたり、シャンクしてしまったりと、まったく上手くいかないアマチュアが非常に多いように感じます。(現に私がそうでした。)
何が基本かわからない時代に
しかし、最近これに異を唱えるレッスンプロも多くいます。バンカーの「超基本」とされている「オープンフェース&オープンスタンス」が、バンカーを難しくしているというのです。「スクエアフェースにして、スクエアスタンスで普通に打てばいい」というプロも多くいます。さらにこれまで超セオリーとされていた「アウトサイドイン軌道」も異論が唱えられるようになり、「バンカーはインサイドアウトが正解!」なんてタイトルの記事もよく見ます。
こうして、バンカーショットには様々な打ち方が巷で出回るようになり、「一体何が正しいんだあ!?」と路頭に迷っている方もいるかもしれません。
「慣れない動き」が難しい原因?
極論を言ってしまうと、バンカーショットにおける「オープン&オープン派」も、最近はやりの「スクエア派」も、どれも正しい打ち方だと、私は考えています。
結局何が難しくさせているかというと、「普段やり慣れていないスイング」なんだと思います。
普段、スクエアフェースやフックフェースでスライスが出ないように一生懸命練習しているアマチュアが、バンカーに入った途端、急にオープンフェースでスライス軌道を打たされるわけですよ。そりゃシャンクもしますって(笑)。
当然、オープンフェースにしてカット軌道で打てばボールは高く上がって飛ばなくなるのは、ゴルフ経験者なら誰でもわかると思います。しかし、それだと「どれだけ飛ばなくなるのかわからない」「逆に飛び過ぎてしまったらどうしよう」などという「不安」がいつも付きまとうため、スイングが中途半端になってしまいます。だから距離感も出ない。普段から慣れていないスイングなのでしょうがないですよね。
なので、練習時間のあまり取れないアマチュアは、とにかく「普段からやり慣れているスイング」をする方が、はるかに成功する確率が高くなるということ。スクエアフェース&スクエアスタンスを推奨するレッスンプロは、その点を踏まえて論じているのだと思っています。
スクエアスイングで打っても簡単に高いボールが打てるウェッジとは?
前置きが長くなってしまいましたが、バンカーに苦手意識があるゴルファーは、基本となる「スクエアフェース&スクエアスタンス」でのバンカーショットを練習することをおすすめします。バンカーの基本とされている「オープンフェース&オープンスタンス」は「特殊なショット」と捉えて、バンカーの苦手意識がなくなったあとで、ひとつのショットバリエーションとして取り入れればいいでしょう。
もし今あなたの持っているサンドウェッジを使って「スクエア&スクエア」で十分高さも出てグリーンオンの確率が高いなら、もうこの先は読まなくても大丈夫です。きっとあなたに合うクラブなので、そのクラブを大切に使い続けて下さい。
しかし、「スクエア&スクエア」でも出ない、グリーンオンの確率が低いということも、もちろん考えられます。フェースを開いて使う前提で設計されているクラブもあります。
そうであれば、私も「バンカー専用」として愛用している次の一本を試してみることを強くおすすめします。
キャロウェイ「SURE OUT」ウェッジ
英語のSURE(シュア)とは、日本語に訳すと「確かに」とか「喜んで」という意味です。その名のとおり、バンカーから「確実に出る」というメッセージのウェッジで、何とあのタイガー・ウッズの元コーチとして知られる、ハンク・ヘイニー氏監修のウェッジです。
写真でもおわかりのように、特徴的なのは何と言ってもソールの広さ。適度な丸みもあって、簡単にバンスを利かせたバンカーショットを打つことができます。構えてみるとこんな感じ。バンカーでも開く必要がないので、スコアラインに引かれた白いラインでピンに向かってスクエアに構えやすいです。
打ち方は、いつものショットと同じ。スタンスもフェースもスクエアにして、ちょっとダフリ気味に打ってあげると、「フワッ」と勝手にボールが上がってくれます。背の高さほどあるバンカーでも、楽々クリアできます。
高さの調節も、ボールの位置を変えるだけでOK。左足に寄せれば寄せるほど高い球になります。
バンカーが苦手な人は、とにかくバンカーへの「苦手意識」をなくすことが大切。ストレスなくバンカーショットが打てるようになれば、バンカー越えのセカンドショットも果敢に攻めていけるようになり、プレーの幅も広がりますよ!