- ライバルに勝ちたい
- コンペで優勝したい
- 競技で勝ちたい
- 他人から「上手ですね」と称賛されたい
ゴルフでスコアアップを狙う方には、上記のようにさまざまな「目的」があると思います。
スコアアップという願望を抱いたとき、僕たちは技術面に目を向けがちです。
そして、その願望を達成するために、一生懸命に練習場へと足を運ぶ人も多いでしょう。
しかし結論から言うと、技術の向上が必ずしもスコアにつながるとは限りません。
スコアアップにはメンタル的な要素も深く絡んでいるからです。
たとえば、次のような経験がありませんか?
- 同伴競技者に嫌な人がいて、スコアが崩れた
- 前の組が遅くて、リズムが狂わされた
- もう年だから、スコアアップは無理かも…
- 一生懸命に練習しても、スコアアップできない
上記が好例ですね。
いくらハンディキャップが1桁台になれる技術力があっても、100オーバーを叩いてしまうのには「メンタル面での理由」が隠れていることがほとんどです。
とはいえ、「自分はメンタルが弱いからスコアアップは無理だ」と思うかもしれません。
しかし、考え方を変えれば誰だってスコアアップできることを、次の2つの本が教えてくれています。
今回はこの2冊の本から「スコアアップを阻む3つの考え方」と、それを打破するための方法を紹介したいと思います。
紹介するのは3つだけですが、この記事を最後まで読んでいただければ、本を買わなくても十分あなたのスコアアップの足掛かりになると思います。
そして、これらはゴルフだけでなく、ビジネスや私生活にも応用可能ですよ。
ゴルフのスコアアップを阻む3つの考え方
上記2冊の本から、スコアアップのヒントを学んでいくことにしましょう。
ゴルフにおいて、次の3つをスコアアップを阻む考え方の代表例として紹介しています。
- エゴ志向
- フラストレーション
- メンタル・バリア
それぞれ詳しく解説します。
①エゴ志向
フローゴルフへの道では、エゴ志向の考え方をするゴルファーを次のように定義しています。
エゴ志向のゴルファーは、他者という外部要因を重視したプレーをする。こうしたゴルファーにとって、良いスコアや優勝は、他者から賞賛されるためにあるのだ。
引用元:フローゴルフへの道
たとえば、会社のコンペや月例競技会に出たときに「同伴競技者にどう思われるか?」を気にするゴルファーの方は少なくないと思います。
また、ライバルとゴルフをしたとき、相手のプレーに気をとられて自分のプレーに集中できない人もいるかもしれません。
フローゴルフへの道の著者であるスポーツ心理学者ジオ・ヴァリアンテ(Gio Valiante)は、このような考え方をするゴルファーを「エゴ志向のゴルファー」と位置付けます。
そしてエゴ志向のゴルファーこそ、スコアアップができない典型例だと言うのです。
なぜこの考え方がスコアアップを阻むのかというと、著者は次のように述べています。
彼らが得たいのは周囲からの評価である。彼らは、絶えずスコアや順位、ギャラリーの目などが気になって仕方がない。しかし、周囲の高い評価を得るためには、いつも完璧なプレーを続けなければならないが、それには大変なプレッシャーやストレスがのしかかってくる。
引用元:フローゴルフへの道
エゴ志向のゴルファーの思考は、常に「外」に向けられています。
当然、集中力がなくなるので、良いプレーのしようがないというわけですね。
一方、正反対なのが「熟達志向のゴルファー」です。
こうしたゴルファーは、ゴルフそのものを愛し、コースに挑み、そして何よりもゴルフが上手になりたいという強い願望を持っている。
引用元:フローゴルフへの道
熟達ゴルファーの意識は完全に「内」に向いているのがわかりますね。
周囲の状況に左右されないので、いつでも自分のベストプレーができるというわけです。
もしもスコアアップしたいと思うなら、エゴ志向ゴルファーから熟達志向ゴルファーへと転身しなければいけません。
PGAツアーのトッププロであるマット・クーチャーも、エゴ志向から熟達志向へと考え方を転換し、大成功をおさめたゴルファーの1人です。
②フラストレーション
熟達志向のゴルファーは、ゴルフで起こるトラブルやアンラッキーへの対処方法も優れているものです。
たとえば、同伴競技者がスロープレーヤーだったり、会心のティーショットが運悪くディボット跡に入ったとしても、自分のプレーに集中します。
ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法では、アンラッキーは「起こるもの」と認めた上で、フラストレーションは集中力を失う原因であり、現状を受け入れることの大切さを説いています。
しかし、偉大なるプレーヤーというものは、そういうアンラッキーは「起こるもの」と自分に言い聞かせることができるのです。
引用元:ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法
ゴルフは「あるがまま」のプレーが基本のスポーツです。
どれだけアンラッキーなことがあっても、あるがままでプレーしなければなりません。
にもかかわらず、起こること全てにイライラしていては、ショットに集中するのは難しくなりますよね。
著者で精神科医のマイケル・T・ラードン(Dr. Michel T. Lardon)氏は、本書でフラストレーションを回避する方法として次のように述べています。
しかし、それらはすべて、スロープレーヤーと同組になってしまったときにどう対処するべきかという具合に、自分が悪条件を克服するための貴重な練習の機会なのだと思えば、腹も立たないはずです。そうやって、いかなるときにも自分の世界を作り上げ、その中で粛々とプレーするための練習だと思えばいいのです。
引用元:ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法
ゴルフで起こるトラブルやアンラッキーも、「成長のための学習だ」と思えれば、確かにイライラが抑えられそうな気がしますよね。
他人のプレーや言動に惑わされることなく、自分のプレーに集中するためには、フラストレーションがコントロールできるようになることが大切です。
③メンタル・バリア
メンタル・バリアとは、ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法に出てくる「精神的な障壁」のことです。
たとえば、次のような考え方が頭に浮かんだことはないですか?
自分の年齢だと、飛ばないしスコアアップは無理だよな。
今の練習回数じゃ、70台を出すのは夢のまた夢…。
これじゃライバルに勝てなくても仕方がないよ。
メンタル・バリアとは簡単に言えば、自分の中に「壁」や「限界」を作ってしまう状態です。
これもまた、スコアアップを阻む大きな要因のひとつです。
ゴルフにおいて「終わり」を迎えてしまう人は、「自分は年をとりすぎてしまった」「もう若い人のようには自分は打てない」といいはじめた人のこと。そういう人はジムに通うことをやめ、人生の終わりを受け入れ、「固定されたマインドセット」になってしまうのです。
引用元:ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法
ここで出てくる「固定されたマインドセット」とは、ゴルフが上手い人や成功する人というのは生まれ持った能力があるからだ、という考え方です。
固定されたマインドセットから抜け出し、これからも成長していくためには、「自分もやればできる」という考え方にシフトする必要があります。
デビューして10年以上も勝てなかったのに、1勝した途端に勝ち続けるプロは少なくありません。
たとえば宮里優作プロは、デビュー11年目のゴルフ日本シリーズで初優勝してから、あっという間に7勝に到達しました。
陸上の100m走でも、これまで日本人が9秒台を出すことは「夢」のように思われてきましたが、桐生祥秀選手が9秒98を記録して以降、他の日本人選手も次々と9秒台を記録。
これらはすべて「自分もやればできる」と、メンタル・バリアが取り除かれたのが大きな要因でしょう。
メンタル・バリアを取り除くには、練習と実戦を繰り返して「自信」を付けるのが一番の方法です。
とはいえ(ここからが大事な部分なのですが)、ゴルフは単に練習すればスコアアップできる、というわけではありません。
「ゴルフは練習すればスコアアップできる」は間違いです
スコアアップには練習は不可欠です。
とはいえ、単に練習場に足を運んでボールをたくさん打てばいいかというと、そういうわけではありません。
たとえば、スコアアップのために「OBをゼロにしよう」という目標を立てたとします。
これをゴルフ メンタルゲームに勝つ方法では「結果の目標」と呼んでいます。
でも、単に「OBをゼロにしよう」と考えるだけでは、願望に終わるだけでしょう。
OBをゼロにするためには、具体的な行動目標が必要なのです(これを「プロセス(経過)の目標」と呼びます)。
OBをゼロにするための具体的なプロセス目標は、次のようなものです。
- ドライバーのハーフショットを毎回100球練習する
- ドライバーで200ヤード先の看板に当てるまで帰らない
- ティーショットではフェアウェイウッドを使う
つまり、スコアアップするためには「結果の目標」と「プロセスの目標」の両方が必要ということです。
生産性の高い目標とは、「プロセスにおける目標」と「結果としての目標」の双方を、長期的と短期的に設定すること。
引用元:ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法
とはいえ、綿密に目標を立てて練習を繰り返したとしても、すぐにスコアアップできないかもしれません。
しかし、そのような現実を「ありのまま」に受け入れることも、スコアアップに必要な考え方です。
なぜなら、上達はスムーズな右肩上がりでは決してなく、さまざまな壁を乗り越えながら達成されるものだからです。
最後に、ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法の一節を引用して終わりたいと思います。
しかし、上達の道は決して真っすぐではありません。どんなに優れた指導者がついていても、上達への途上では、幾度となく敗北感や挫折感を味わうものです。でも、あるレベルまで上達すると、パフォーマンスが安定し、次のレベルへと進んでいくことができるようになります。
引用元:ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法
僕もこの言葉を胸に、頑張ります。