急にゴルフコンペの幹事に選ばれてしまったり、幹事の経験が浅い人は、とても不安だと思います。特にゴルフをあまりやったことがない人にとっては、何から手をつければいいのかすらわからないかもしれません。
この記事では、営業マン出身の幹事歴10年以上を誇る私が、ゴルフコンペの幹事さん向けに「ゴルフコンペの開催コース決定から当日の表彰式に至るまで」を、時系列で徹底的に解説します。
【幹事のやること①】開催コースの決定・予約
ゴルフコンペの幹事に選ばれて、まず最初にやるべきことは「ゴルフコンペを開催するゴルフコースを決めること」です。
ゴルフコンペを開催するコースを選ぶ際には、以下のポイントに留意します。
- ゴルフ場へのアクセス
- 料金
- ゴルフコースの難易度や手入れはどうか?
- 「連続枠」で予約する
- コンペルームを押さえる
- ゴルフ場の予約は2~3か月前に
ゴルフ場へのアクセス
ゴルフコンペをクレームなく終わらせるためには、まずゴルフ場へのアクセスの良さを考慮しなければいけません。
ゴルフ場へのアクセス方法は、基本的に「車」で考えておけば大丈夫です。バスや電車でゴルフ場に行きたいという人はめったになく、問い合わせがあれば応えてあげる程度で考えておけばOKでしょう。
ゴルフ場到着までにかかる時間の目安は「1時間」です。コンペの幹事を長年担当してきた経験から言わせてもらうと、ゴルフ場までの道のりを参加者が遠いと感じるか、それとも近いと感じるかは、「1時間」が境目だからです。1時間より短ければ参加者は「近い」と感じ、1時間を超えると「遠い」と感じる傾向にあります。あくまで私の肌感覚の話になりますが、結構リアルな話なので参考にしてみて下さい。
補足になりますが、ゴルフ場が高速道路の料金所を出て近ければ近いほど、参加者にストレスを与えずに済みます。下はゴルフ場予約サイトの「楽天GORA」の検索画面ですが、ゴルフ場名の下に高速道路などからのアクセスの詳細が書かれていますので、参考にすると役立ちます。
料金
ゴルフコンペを開催するにあたり、料金の設定は非常に重要です。あまりにプレー代が高すぎると、参加人数が減ったり、次回の参加率に影響が出たりするためです。
予算やコンペの目的によって大きく異なりますが、例えば会社の親睦会レベルのコンペでは料金の設定は1万5000円までを目安にするといいでしょう。
コースの難易度や手入れ状態
ゴルフコースには難易度があります。女性や高齢者でも楽しめる初心者向けのコースから、アスリートゴルファーがチャレンジするようなコースまで様々です。接待ゴルフを目的としたコンペでは、コース難易度が優しいく、フラットな(傾斜の少ない)コースを選ぶと無難といった具合です。
また、ゴルフ場の管理状態も要チェック。例えば得意先の接待コンペなのに、安くてコース管理の悪いゴルフ場に招待しても、印象を悪くするだけです。
各ゴルフ場予約サイトの「口コミ欄」には、様々なゴルファーからの口コミが集積されていて、情報収集に役立ちます。コース管理状態以外にも、接客レベルや食事の美味しさ・メニューなどもチェックをしておくと、参加者に喜んでもらえます。
「連続枠」で予約する
ゴルフコンペは必ず「連続枠」で予約をします。各組バラバラの時間にしてしまうと、コンペとしての統率が取れなくなったり、集合や解散、表彰式などの時間調整が難しくなるためです。
ゴルフは3~4人1組でラウンドします。連続枠とは、例えば1組目が9:00スタートだとすると、2組目が9:06、3組目が9:12スタートと「連続して」スタートができるようにする枠のことです。
もしも人数が30人や40人などと多くなれば、OUTコーススタートとINコーススタートに分けて「連続枠」で予約する「ツーウェイ」でもいいでしょう。下はツーウェイでスタートする組み合わせ例です。
【ゴルフコンペ:参加人数23名の場合】
組 | スタート時間 | 組 | スタート時間 |
A組(4名) | OUTコース9:00 | D組(4名) | INコース9:00 |
B組(4名) | OUTコース9:06 | E組(4名) | INコース9:06 |
C組(3名) | OUTコース9:12 | F組(4名) | INコース9:12 |
※OUTコース(1番~9番ホール)・INコース(10番~18番ホール)
ゴルフ場予約サイトには検索オプションに「連続枠」という選択肢があるので、うまく活用しましょう。
コンペルームを押さえる
ゴルフ場の予約が完了したら、ゴルフ場に直接電話をして「コンペルーム」を予約しておきます。コンペルームとは、コンペが終了したあとに、軽食やドリンクを飲みながら表彰式や軽いパーティを行う会場のことです(飲食代や景品は別途必要)。インターネット予約サイトで予約した場合は、「○○というサイトでコンペ予約をしたものですが・・・」と切り出せばいいでしょう。
表彰式で軽食や飲み物を出す場合には別途費用が必要(平均1人あたり1,000~3,000円くらい)ですので、必要がある場合はあわせて予約をするようにしましょう。(ゴルフ場によってはパーティ費用が含まれているプランもあります。)
コンペルームはほとんどのゴルフ場に併設されていますが、部屋数に限りがあるため早めに抑えることが肝心です。
ゴルフ場の予約は遅くとも2~3ヶ月前に
ゴルフコースの予約は、遅くとも2~3か月前に完了するようにしましょう。特に春や秋はゴルフコンペの開催が集中しており、1か月前にはすでに空きのないゴルフ場がほとんどです。
ある程度参加人数が決まっていれば、すぐにゴルフ場を押さえましょう。人数や組数の変更は2~3週間前でもキャンセル料なくできるゴルフ場が大半です。
【幹事のやること②】ゴルフコンペ案内状作成
ゴルフ場を予約し終えたら、早速ゴルフコンペの案内状を作り始めましょう。
案内状で書くべきことは、以下の内容です。
- あいさつ文
- 開催日
- ゴルフ場名・ゴルフ場の住所と電話番号
- ゴルフ場へのアクセス方法(地図や最寄りのインターなど)
- 料金(プレー代・昼食費・パーティー代)※
- 当日のスケジュール ※
- 組み合わせ表 ※
- ルール ※
- 緊急連絡先(幹事の連絡先)
料金
ゴルフコンペにかかる費用はあらかじめしっかりと伝えておかないと、当日思わぬトラブルにつながります。
まずはプレー代と昼食費です。ゴルフ場を予約するときに、料金は「プレー代のみ」と「プレー代+昼食費込み」の2つに分けられます。案内状に記載する料金が昼食別なのか、昼食付なのかを必ず明記します。
もうひとつが、コンペ終了後の表彰式でのパーティ代です。パーティ代はコンペ主催者が出すのか、それとも参加者が負担するのか等によって案内状の書き方は異なりますので、わかりやすいように明記しましょう。
当日のスケジュール
ゴルフコンペのおおまかなスケジュールは、
- ゴルフ場に集合
- 1組目スタート○○分前に朝礼・挨拶
- ゴルフをプレー
- 表彰パーティ
- 解散
です。
ゴルフ場の集合時間は、1組目のプレー開始1時間前くらいに設定します。
1組目がスタートする20~30分前に、再度集合して代表者が挨拶やルール説明などを行います。
プレー後お風呂に入った後、表彰パーティを行います。
各項目の詳細は後述しますが、すべてにある程度余裕をもったスケジュールを組みましょう。
組み合わせ
組み合わせ作成は、幹事の力が試されるところです。全体の組のプレースピードや人間関係など、すべてを考慮しなければならないからです。
プレースピードを一定にするには、いくつかポイントがあります。
- 組の平均年齢をなるべく均等にする(×高齢者ばかり)
- 上手い人と下手な人を均等に配置する
また、人間関係も大切なポイントです。接待ゴルフの場合は、得意先のキーマンに営業部長を当てたりします。
幹事自身もプレーをする場合は、プレー後の表彰パーティーの段取りが控えているので、一番最初にスタートするのが望ましいです。この場合、最終組に副幹事やお手伝いの人を配置することをおすすめします。プレーの状況確認や、様々なトラブルに対応しやすくなるからです。常にスマホなどで連絡が取りあえるようにしましょう。
各組には1人「エチケットリーダー」を決めます。エチケットリーダーとは、共にする同伴競技者のプレーの安全やスピードを見守る役目の人のことです。一般的に組の中で一番上手な人を選びます。エチケットリーダーには、あわせてプレー後のスコア提出をお願いします。
ルール
一般的なゴルフのルールとは別に、「ゴルフコンペ用のルール」を決めておかなければいけません。
【主なゴルフコンペ用のルール】
- ダブルペリア方式
- 6インチプレース
- ノータッチプレー
- 1グリップOK
- ニアピン賞
- ドラコン賞
ダブルぺリア方式は、ゴルフコンペでもっとも使用されるハンディキャップの付け方で、特殊なハンディの付け方をすることにより、ゴルフが上手な人も下手な人も優勝のチャンスがあります。ダブルペリア方式には「上限なし」と「上限あり」がありますが、基本的には「上限あり(上限ハンディ36)」に設定し、もしも先方にゴルフをしたことがない初心者の人がいて優勝のチャンスを与えたい場合には「上限なし」を選んでもいいでしょう。
本来ゴルフはプレー中にボールに触れてはいけませんが、6インチプレースを採用することにより、ボールが打ちにくい状態にあるときに6インチ(15.24センチ)以内であればボールを動かすことができる特殊ルールです。反対に、ゴルフの基本ルールにのっとったノータッチプレーも採用可能です。
1グリップOKは、グリーン上で残りの距離がパターのグリップの長さ以内にあれば「OK」と言って、打たなくても入ったことにするルールです。プレースピードを速くする効果がありますが、上級者やゴルフにこだわりを持つ人が混じると嫌がる傾向もあります。
ニアピン賞は、パー3のホールで1打目を打ったボールがカップに一番近い人に与えられる賞です。4つあるパー3すべてにニアピン賞を設定するのが基本ですが、特定のホールだけでも構いません。案内状には、ニアピン賞の該当ホールを明記します。
ドラコン賞は、パー4やパー5のホールで1打目を打ったボールが一番飛んだ人に与えられる賞です。基本的に距離の長いパー5のホールで設定しますが、コース形状によってドラコンホールに適さない場合もあります。そのときはゴルフ場に定められている「ドラコン推奨ホール」で設定します。ニアピン賞と同じく、前半2ホール・後半2ホールの合計4ホールをドラコンホールとして設定するのが一般的です。
【幹事のやること③】コンペの景品・備品を用意する
ゴルフコンペ終了後の表彰式で渡す景品やトロフィー・賞状、その他の備品などを準備します。基本的な考え方として参加者全員に何らかの景品がまわるようにすると、参加者の満足度が上がります。
具体的な賞の決め方などは下の記事を参考にして下さい。
景品の選び方
ゴルフコンペの景品は様々ですが、基本的にゴルフ用品や普段使いできる日用品が喜ばれます。必要のないものをもらっても、あまり嬉しくないですからね。
景品選びに困ったら「カタログギフト」がおすすめです。カタログギフトならもらった人が自分で好きなものを選ぶことができます。
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トロフィはゴルフ5などのゴルフ専門店で店頭購入可能です。またAmazonや楽天市場などのネットショッピングでも入手可能です。
ゴルフ場予約サイトにはコンペ予約の特典として「コンペ商品付き」というプランもあります。特定の条件を満たせば、キャディバッグなどの豪華景品が付いてくることもあるのでチェックしてみて下さい。
ゴルフコンペに必要な備品
ゴルフコンペ当日に必要になる備品は、主に以下のとおりです。
- 受付表
- 電卓
- 領収書(会費徴収の場合のみ)
- 筆記用具
- ニアピン・ドラコン用フラッグ
- 始球式用ボール
- 救急セット
ニアピンやドラコン賞を選定するためのフラッグや、始球式用のボール(必要のある場合)以外は会社等の備品でまかなえると思いますので、前日までに用意するようにしましょう。
【幹事のやること④】(コンペ当日)準備~受付
ここからはいよいよゴルフコンペ当日の段取りです。
幹事は遅くとも2時間前には会場入りして、ゴルフ場の担当者に挨拶および下記の依頼・準備を行います。
- 受付台(場所)の用意
- スコア集計(ダブルペリア等のハンディ方式を伝えておくこと)
- コンペルームの案内と景品の搬入
- 朝礼の場所と時間、集合アナウンス(必要であれば)
受付
ゴルフ場の入り口に場所と受付台を借りて、コンペ参加者の受付を行います(ゴルフ場への受付は別途必要です)。
受付台には参加者名簿(組み合わせ表でOK)、筆記用具、会費徴収のための領収書を準備して待機します。参加者の到着が遅いなど、電話等で連絡ができるように連絡先も手元に控えておきます。
受付では口頭で「○○時に練習グリーン脇で朝礼をします」と伝えておきましょう。
【幹事のやること⑤】朝礼(挨拶)
スタート時間の30分くらい前に、コンペ参加者全員で集合し朝礼(挨拶)を行います。ここでは
- コンペ主催者(幹事・代表)からの挨拶
- ルール説明
- 当日の注意事項の説明
を行います。
挨拶
幹事もしくは代表から、参加者に向けて挨拶をおこないます。このとき、参加者への参加のお礼や忙し時に来てもらったという「労い」を挨拶の中に込めるようにしましょう。
ルール説明
「ダブルペリア方式」や「6インチプレース」「ノータッチプレー」などのルール説明を簡単に行います。参加者はほとんどゴルフ経験者だと思うので細かい説明は避け、もしもゴルフ初心者の方やわからないという人には、個別に説明をします。
ニアピンやドラコンの対象ホールは、ここで説明しておきます。
また、各組のエチケットリーダーにはスコアの記入および提出をお願いしておきます。
そして最終組には、ニアピン・ドラコンフラッグの回収も忘れずにお願いしておきます。(※最終組に副幹事やお手伝いしてくれる人を配置しておくと便利です。)
当日の注意事項
当日の注意事項としては、
- 昼食の場所や「昼食チケット」の有無
- プレー終了後の表彰パーティの時間・場所
などがあります。
【幹事のやること⑥】表彰式の準備
全員のプレーが終わりパーティが始まるまでに、表彰式の準備を行います。
- 景品の配置
- 順位表の受け取り※
- ニアピン・ドラコンフラッグの受け取り※
- 軽食・飲み物の数の確認
幹事はやるべきことが多いので、自身のプレー後にお風呂に入る時間は無いと思っておいた方がいいです(笑)。
順位表の受け取り
ゴルフ場側に依頼をしておいた順位表を受け取ります。参加者自体が自分の順位を確認できるよう、人数分の順位表を用意してもらうのが望ましいです。
ニアピン・ドラコンフラッグの受け取り
最終組がニアピンとドラコンのフラッグを持ち帰るので、迅速に受け取ってニアピン賞とドラコン賞の該当者を確認します。必要であれば、該当者の名前を景品に記入します。
【幹事のやること⑦】表彰式
表彰式では、軽く飲食と談笑を交えながら、順位発表と締めの挨拶を行います。
順位発表&景品・トロフィ授与
順位発表は、順位(景品ランク)の低い方から発表していくと盛り上がります。最後の最後に優勝者を発表するという感じです。
場合によっては、優勝者に優勝スピーチをお願いしてもいいでしょう。
締めの挨拶
表彰式が終われば、締めの挨拶を行います。時刻も夕方で参加者は早く帰路につきたいでしょうから、挨拶は表彰式が終われば間髪入れずに手短に行います。
締めの挨拶では、コンペ参加への「お礼と労い」を基本として外さず、次回の参加も促す形にすればOKです。
締めの挨拶が終わったら、参加者全員を見送り、ゴルフ場側にもお礼を述べたら幹事は帰途につきます。
【幹事のやること⑧】お礼状の作成
仕事関係のゴルフコンペであればコンペ参加への「お礼状」や「お礼メール」を出すと、今後の仕事上の関係作りや次回のゴルフコンペ参加率アップに役立ちます。
お礼状のテクニックとして、単にゴルフコンペ参加のお礼だけでなく、「○○さんの7番ホールのニアピン賞はさすがでした」や「今回は惜しくも2位でしたが次回は優勝を狙って下さい」など個人のプレーや順位などに触れると、より親近感のあるお礼状になります。
当日撮った集合写真やプレー中の写真を添付すると、なお良しです。