「アプローチショットはアウトサイドインに振りなさい。」こんな指導を受けたり、雑誌や本などで読んだことは多くの皆さんがあると思います。
しかし、この「アプローチはアウトサイドイン」というイメージが、アプローチを寄りづらくし、ミスを誘発しているということを頭に入れておかなければなりません。
アプローチを特殊なショットにしていませんか?
ゴルフはドライバーからパターまで、14本のクラブを自由に持ち替えて行うスポーツ。230ヤード飛ばしたと思えば、直後に20ヤードしか飛ばさないなんて場面が頻繁に訪れます。
ところがドライバーやアイアンショットではスタンスをスクエアにして「インサイドイン」の普通のスイングで振っているのに、アプローチだけ打ち方を変える人が多くいます。アプローチだけスタンスをオープンにしてアウトサイドインに振るなんてことをすると、アプローチが特殊なショットになってしまいます。
「バンカーの一番やさしい打ち方とは?」という記事の中で、私は「普段慣れていない打ち方」がバンカーを難しくしていると書きました。
アプローチでも全く同じことで、グリーンまわりに来た時にアプローチウェッジを持って普段慣れていないアウトサイドインの打ち方をするから、距離感も合わない、シャンクする、チャックリするなどといったアプローチのミスが出るのだと考えています。
アウトサイドインがもたらすアプローチのミスとは?
アプローチだけアウトサイドインで振ると、様々なミスが発生します。
①アプローチの距離感が合わない
アプローチのときにオープンスタンスで立ちアウトサイドインで振るショットは、スピンをかけにいくという意味では有効です。
しかしその分シビアなショットにもなります。ちょっとでも打ち損じるとボールが飛んだり飛ばなかったりして、距離感が合わなくなります。
②ザックリやトップが起こりやすい
アプローチをアウトサイドインで振ると、ボールに向かって上からクラブが入ってきます。
これを読んでいただいている皆さんは「アプローチは上からクラブを入れてくるのが基本では?」と疑問に思われる方も多いと思います。
ところがアプローチでそのような打ち方をすると、アプローチでありがちなミスを誘発します。図を交えながら解説していきますね。
打点が少しズレただけでザックリになる
丸いのがボールです。ボール中央には赤いラインで赤道を描きました。斜めの青いラインは、ボールに向かってくるクラブヘッドの軌道を表しています。
上の図では、アプローチをアウトサイドインで振った結果、クラブが上から入った状態を表しています。
2本の青いラインはナイスショットの許容範囲を表していますが、線の幅がとても狭いことがわかると思います。この線をはみ出してしまうと、ザックリもしくはトップです。
上の図が何を表しているかというと、アプローチをアウトサイドインに振ると、ナイスショットをするためにはかなり精密なクラブさばきが必要になるということです。
③シャンクが起こりやすい
アプローチをアウトサイドインで振ると、フェース面のヒール側からボールにアタックしていくため、どうしてもシャンクのミスが起こりやすくなります。
特にアプローチではフェースを開いて構える方が多く、シャンクの確率が高くなります。
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ミスをしないアプローチの打ち方
アプローチもインサイドインがいい理由
地面を這うようにクラブを緩い角度(鈍角)で動かすと、上の図のように今度は許容範囲が広くなることがわかります。これなら適当に打っても、大きなミスにはならなさそうです。
アプローチでも通常のショットと同じようにインサイドからクラブを入れると、上のような緩やかな軌道になり、ミスの許容範囲も広くなります。
アプローチをインサイドインに振るには、普段通りスタンスをスクエアに構えて、フェースも開かずに普通に振ればいいんです。
アプローチをいつものようにインサイドインで振ると、ボールのつかまりが安定するので、距離感が安定してきます。アプローチでだるま落としなんてこともなくなります。
アプローチもいつものように振ると、アプローチだけが特殊なショットではなくなり、すべてのクラブとの「統一感」が出てきますよ♬
最後に
アプローチでは「寄せワンを取りたい」「ザックリしたくない」「同伴競技者が見ている」などのプレッシャーがかかりやすい場面です。プレッシャーがかかると、人間はいつもできていることが急にできなくなるものです。
そんなときにわざわざ自分からアプローチを「特殊なショット」にしてしまうと、さらにアプローチを難しくしてしまいます。
アプローチでもいつものようにインサイドイン軌道で振れば、クラブの軌道が緩やかになり、ミスの起こる確率を激減させてくれますよ!
ぜひコースで試してみて下さいね!