ドライバーをハンドファーストに構えるのにはちゃんとした「理由」があります。ハンドファースト自体がいいとか悪いということではありません。しかし本当の理由を知らないと大きなケガをしてしまいます。
今回はドライバーのアドレスでよく疑問のあがるハンドファーストについて、次の内容をお話したいと思います。
- ドライバーをハンドファーストで構える意味
- ハンドファーストのデメリット
- ハンドファーストアドレスの勘違い
- ハンドファーストで構えてはいけない人の特徴
ドライバーのアドレス時にハンドファーストで構えることの「本当の意味」を理解して、ドライバー上達のヒントにして下さい。
ドライバーをハンドファーストで構える意味
このお話を進める前に、アドレスでハンドファーストに構える意味について知る必要があります。
強いボールを打ちたい
アドレス時にハンドファーストに構えることでドライバーのロフトが立つため、ボールに強い力を与えたいという意図があります。
たとえば風が強い日にはロフトを立てることでスピン量が抑えられ、低く風に強いボールが打てます。また打ち下ろしのホールではキャリーとランの両方で距離が稼げるでしょう。
ボールが左に行きにくい
ドライバーをハンドファーストに構えることでシャフトは飛球線方向に倒れるため、出球を右に打ち出すことが容易になります。
左サイドにOBや池などのペナルティエリアがあるときにハンドファーストでアドレスすることにより右に飛びやすく、左のペナルティエリアを回避することができます。
ハンドファーストのデメリット
ハンドファーストはゴルフの基本と捉えられていますが、同時にデメリットがあることも熟知しておかなければいけません。
ボールが上がりにくい
通常のドライバーのロフト角は10度前後です。ハンドファーストにすることでロフトが立ち、その角度は7度とか8度になります。7度や8度といった低ロフトでボールを上げるのは並大抵のことではありません。
特にヘッドスピードの遅いゴルファーがハンドファーストに構えてそのままインパクトを迎えれば、150ヤード先でボールがドロップしてしまうことでしょう。
スライスが出やすい
ロフト角とボールのつかまりは深い相関関係があります。基本的にロフトが立てば立つほどスライスが出やすくなる傾向があります。
ハンドファーストはスライスが出やすいアドレスであるということを理解しなければなりません。
ハンドファーストアドレスの勘違い
手だけを前に出す
ハンドファーストのアドレスの勘違いの中で最も多いのが「手だけを前に出す」というやり方です。
通常のグリップをして手だけを前に出せばフェースが開き、スライスが出るばかりかロフトが上を向いたままになります。
正しいハンドファーストにするためには、グリップをストロンググリップにしてからアドレスに入る必要があります。
右肩が前に出てしまう
正しいグリップを行わずに手だけを前に出す間違ったハンドファーストは、他にも弊害を及ぼします。
間違ったゴルファーは手だけを前に出して開いたフェース面を真っ直ぐにするため、右肩を前に出して調節します。
右肩を前に出すことでスイング軌道は極端なアウトサイドインとなり、スライスが止まらなくなります。
ボール位置の勘違い
正しいハンドファーストのアドレスを行うためには「ドライバーのボール位置は左足かかと前」という思い込みを排除しなければいけません。
ハンドファーストでアドレスしたときの正しいボール位置は「中央寄り」です。
左足かかと前にボールをセットしたままハンドファーストにドライバーを構えようとすると、全てのゴルファーの右肩は前に出てしまうでしょう。
ハンドファーストで構えてはいけない人の特徴
ヘッドスピードが遅い人
ヘッドスピードが遅めの人は、ドライバーでハンドファーストに構えることをおすすめしません。ボールを飛ばすために必要なキャリーが不足するためです。
ただし例外として、風が強い日に低いボールを打ちたいとか、とにかく右にボールを逃がしたいという場合は戦略として有効です。
極度のスライサー
ゴルフはインパクトで止めると飛距離が伸びるのか?で詳しくお話ししていますが、「ヘッドを走らせる」というドライバーの使い方を知らない極度のスライサーは、ハンドファーストのアドレスをおすすめしません。
スライサーは手元が動きすぎて肝心のヘッドが動かないのが特徴。そんな人がハンドファーストに構えればさらにスライスが助長されてしまうからです。
ヘッドを走らせることができずにスライスや飛距離不足に悩んでいる人は、下の記事で紹介している「ロジャーキングスイングドクター」を使うのが手っ取り早いです。