ドライバ―のチーピンに悩んでいる。
そもそもドライバーだけチーピンが出るのは、一体何が原因なんだろう?
チーピンを怖がると今度はスライスするし…。
チーピンのちゃんとした直し方を知りたいな。
チーピンは低く飛び出したボールが左へと急カーブする、OBの危険がある球筋です。
チーピンが一度でも出てしまうと、恐怖からドライバーが振れなくなるという人もいるかもしれませんね。
僕も昔はチーピンに悩んだ1人でして、フェースを開いて構えたりなど対策を試みたのですが、上手くいかずにずっと苦しんでました。
しかし、チーピンの原因を探っていくことで、少しずつですが修正することに成功しました。
そこで今回は、ドライバーでチーピンが出る原因と効果的な直し方を5つご紹介します。
この記事を読むことで、チーピンの根本原因がわかり、ラウンドで急にチーピンが出たときでも慌てずに対処できると思います。
チーピンの原因
チーピンとは、ボールが低く飛び出し、左へ急カーブする球筋です。
ランが出る強い球なのですが、多くは左の林やOBに飛び込むので、チーピン癖のある人は早めに原因を追究して直した方がスコアメイクしやすいです。
しかし厄介なのが、チーピンはアウトサイドイン軌道・インサイドアウト軌道の両方が原因になるという点です。
アウトサイドイン軌道が原因のチーピン
アウトサイドイン軌道が原因のチーピンは、ボールよりも外側からクラブが入り、軌道よりもフェースが閉じた状態で起こります。
ボールは左に飛び出し、さらに左に曲がるのが特徴です。
インサイドアウト軌道が原因のチーピン
インサイドアウト軌道が原因のチーピンは、ボールよりも内側からクラブが入り、軌道よりもフェースが閉じた状態で起こります。
ボールはやや右または中央に飛び出し、急激に左へカーブするのが特徴です。
チーピンは「極端に閉じたフェース」が主な原因
このように、チーピンはアウトサイドインでもインサイドアウトでも起こり得るので、原因を特定するのは少し厄介です。
とはいえ、どちらとも「極端なクローズフェース」という点で共通しており、これがチーピンを直すひとつの「鍵」になります。
僕のチーピンは「脱スライス」が原因でした…
僕がチーピンに悩みはじめたのは、「脱スライス」が原因でした。
ちょうどスコア100の狭間でさまよっていた当時の球筋は、スライス。距離が出ないだけでなく、たまに出る右OBに頭を悩ませていました。
そこでスライス対策として、はじめにグリップを見直しました。それも左手のナックルが3つ見えるくらいの、超ストロンググリップです。
少しはボールがつかまるようになったものの、それでもまだドライバーはスライスします。そこで今度は、ボールをつかまえるためインサイドアウトへスイングチェンジ。ダウンスイングでシャフトを寝かせ、ひたすらフックを打つ練習を繰り返しました。
するとボールが徐々につかまりはじめ、強いフック系のボールで飛距離が出るようになったのですが…。ここからチーピンとの戦いが始まります。
ラウンドでは距離の出るドローボールが打てるときもあったのですが、チーピンで左OBへ打ち込むこともしばしば。練習では絶対に左に行かせまいと、右斜め45度へ打ち出す練習をトコトン行いました。
それでもチーピンが直らないので、ある日、自分のスイングを後ろから撮影してみたんです。
すると、あまりにひどいスイングで自分でも驚いたのですが…ダウンスイングで体が伸び上り、クラブは地面とほぼ水平になるくらいに寝た「超あおり打ち」でした。
つまり、僕の場合は、シャフトが寝て極端にインサイドからクラブが入り、さらに超ストロンググリップで握っていたためにフェースがクローズになりすぎていた、ということです。
ドローボールが打てたのが偶然で、いつチーピンが出てもおかしくないスイングだった、というわけです。
ドライバ―だけチーピンが出る原因
これを読んでいただいている方の中には「ドライバーだけチーピンが出る」という人もいると思います。実際、僕自身もそうでした。
なぜドライバーだけチーピンが出るかというと、ドライバーの打ち方そのものに理由があると考えています。
それが、次の2つです。
- ボール位置
- ティーアップ
詳しく説明します。
ボール位置
多くの人の場合、ドライバーは左足の近くにボールがあると思います。一応基本もそうなってますよね。
ゴルフスイングは自分を中心とした円運動なので、ボール位置が左にあるほどアウトサイドイン軌道になるのが「自然」です(下図)。
ドライバ―を引っ掛ける原因【簡単にできる5つの防止策と直し方】でお伝えした原因と同じ理屈ですが、もしフェースが軌道よりもさらにクローズになっていれば…チーピン確定です。
もし左側にあるボールをドライバーで打つなら、アウトサイドインでスライスやフェードを打つ方が自然に感じるかもしれません。
ティーアップ
ドライバ―はティーアップして打つことがほとんどです。
そこで起こりやすいのが「あおり打ち」です。
僕がそうでしたが、高くティーアップしたボールに対してインサイドからドローボールを打とうとすると、多くの場合「あおり打ち」になりがちです。
ダウンスイングでシャフトが寝るので、軌道は極端なインサイドアウトになります。
【効果大】ドライバーでプッシュアウトスライスが出る原因と直し方でお話ししたとおり、インパクトでフェースが開けばプッシュアウトスライスに。それを嫌がって急激にリストターンしてフェースがクローズになりすぎるとチーピンになります。
ラウンドでできるチーピン対策
チーピンを防ぐ対策法をお伝えします。
効果的な対策方法は、次の5つです。
- グリップを直す
- ボール位置は左脇~左胸の下
- ティーを低くする
- ソールを浮かせて構える
- 下半身を動かす
それぞれ詳しく解説します。
①グリップを直す
極端なフックグリップで握っている方は、ストロング度合いを弱めるか、スクエアグリップに近づけることをおすすめします。
強すぎるフックグリップは、インパクトのタイミングによってフェースが極端にかぶるリスクがあるからです。
わかりやすいチェック方法に、スイング直後にクラブを体の正面に持ってくる、というものがあります。
剣道の面のようにクラブ体の正面に持ってきたときに、フェースが斜め下を向いているなら「フックが強い」です。フェースが真っ直ぐ向くくらいのグリップに変えてみましょう。
「そんなグリップだとスライスしそう」と思うかもしれません。
しかし、強いフックグリップでチーピンを打ち続けると、どんどん右へ逃がすスイングになってしまい、プッシュアウトやチーピンを助長します。
スクエアなグリップで握っても、しっかり左へ振り抜くことができればボールはつかまるので大丈夫です。
とはいえ、すぐにはできないと思うので「スライスでOK」くらいの気持ちでいいと思います(僕はそうしました)。
やってはダメのが、ストロンググリップのままハンドファーストにしてフェースを開いた「ように」構えることです。
この形のままインパクトすればOKですが、少しでもリリースが早くなればフェースがかぶりチーピンが確定します。
②ボール位置は左脇~左胸の下
ドライバーのボール位置は、左脇か左胸の下をおすすめします。
もしかすると多くの人は「左足かかとの前では?」と思うかもしれません。
しかし、左足かかと前にボールをセットすると、スタンスを広めるごとに体の中心からボールが離れていきます。言い換えれば、スタンス幅によってボール位置が変わってしまうということです。
肩幅くらいのスタンスでドライバーを打つ分には問題ないのですが、スタンスを広くするとボール位置が左になりすぎて、左へ打ち出すリスクが高くなってしまいます。
ボール位置を左脇~左胸下にすることで、インサイドイン軌道で打ちやすくなるだけでなく、ボール位置が固定されてショットが安定するメリットがあります。
③ティーを低くする
チーピン対策にはティーを低くするのがとても有効です。
ティーを低くすることでスライス系の球が打ちやすくなります。さらに、あおり打ちが防止できるので、チーピンのリスクを抑えることができます。
ティーの高さは、ソールした状態でボールがフェースから上に出ない程度でOKです。
ティーを低くして打つ場合は、ボールを中央寄りにすると打ちやすいと思います。
④ソールを浮かせて構える
低いティーアップがチョロになりそうで怖いなら、普段のティーアップの高さのままソールを浮かせて構えるのも、チーピン対策に効果的です。
ドライバーのソールを浮かせ、ボールと同じ高さで構えます。
慣れないと気持ち悪いかもしれませんが、ティーを飛ばさないようにボールだけを打つ意識を持てばレベルターンのスイングになり、チーピンの原因であるあおり打ちがなくなります。
練習しないと難しいテクニックですが、ティーを飛ばさずに打てるようになると、ドライバーの方向性が格段にアップするので試す価値アリだと思います。
⑤下半身を動かす
最後のチーピン対策は、しっかりと下半身を動かして打つです。
チーピンはラウンド後半によく出る気がしませんか?
これは疲れで足が動かなくなり、上体だけで打つのが原因です。右肩がかぶってアウトサイドインに入ったり、ヘッドが急激にターンしてフェースがかぶってインパクトしてしまうわけです。
足とクラブを一緒に振ると、スライスは打ててもチーピンはほとんど出ません。
特にラウンド後半は、がんばって足を動かしましょう。
チーピンを根本的に直すには
ここまでお伝えした対策で、ある程度チーピンを抑えることができるはずです。
とはいえ、これらは応急処置的なものにすぎず、それでもまだチーピンが出ることもあると思います。
なぜかというと、チーピンの可能性がある「スイング軌道の癖」が残っているからです。
チーピンを根本的に直し、さらなるレベルアップを目指すには、理想的なインサイドインのスイングを身に付けたほうがいいでしょう。
インサイドインのスイングなら、過度にフックグリップで握る必要はないですし、無理やりフェースターンする必要もなくなります。
インサイドインのスイングを身に付けるには、ボールを打つ練習よりも、素振りがもっとも早いです。
ボールを打つと、どうしても「飛ばしたい」とか「上げたい」という意識が働き、悪いスイングの癖が身に付きやすいからです。
僕がおすすめするのは、フレループという素振り専用の練習器具です。某有名プロゴルファーも愛用する有名な器具なので、ご存知の方もいるかもしれません。
曲がったシャフトの変わった器具で、素振りするだけでシャフトが寝たり、手をこねたりする悪癖が消え、綺麗なスイングに導いてくれます。
必ず持ってないとダメというものでもありませんが、チーピンの癖がある方や、綺麗なスイングでスコアアップしたいという人には、きっと役立つ練習器具だと思います。
気になる方はレビュー記事を書いていますので、よければ参考にしてください。