ゴルフのスコアをよくするために、スイングを一生懸命に練習したり、ドライバーのシャフトをフィッティングしたりしている方も多いハズ。
しかし、意外とおろそかになりがちなのが、「ボール選び」です。
「安いから」「あのプロが使っているから」と、自分のスイングスピードやプレースタイルに合わないボールを使っていては、知らずとスコアをロスしている可能性があります。
一般のアマチュアゴルファーにはヘッドスピード43m/sの方がとても多いと言われています。
ヘッドスピード43m/s付近のゴルファーは、いったいどのような基準でボールを選べばいいのでしょうか?
売り場にはボールがいっぱい・・・どれを選べばいいの!?
ご存知のとおり、店頭には様々なゴルフボールが並んでいて、どれを選べばいいのか悩んでしまいますね。商品のパッケージには「飛距離アップ」とか「スピン性能抜群!」なんてアピールポイントもたくさん書いてあるので、さらにゴルファーを悩ませます。
「値段の高いボール」=「いいボール」ではない?
では店頭に並んでいるボールを眺めて、「高い価格のボールなら誰にでも合っていいハズだ!」と手に取るのは危険です。「高いボール」=「あなたにとっていいボール」とは限らないからです。反対に、店頭で一番安いボールが、あなたに一番合うボールの可能性もあり得るのです。
ボール選びを間違えると「飛ばない」「曲がる」
ゴルフボールになぜこれだけ多くの種類のボールが販売されているのでしょうか?野球やテニスなど他の球技を見ても、ゴルフほど多くの種類のボールが販売されているスポーツはありません。
その理由は、ゴルファーによって合うボールが異なるからです。
他の球技のように「統一球」にしてしまうと、ゴルファーによって飛ばなかったり曲がったりしてしまい、スポーツの公平性が保たれなくなるという問題が発生してしまうのです。
そのためゴルフの正式ルールにおいても、一定の範囲内でボール選択の自由を与えています。
ですからわれわれも、しっかりと自分のスイングタイプやプレースタイルに合わせて慎重にボール選びをすることが大切なんです。
ボールの種類をおさらい
ヘッドスピードだけでボールを選ぶと失敗する
店頭に並んでいるゴルフボールの箱を見ると「適合ヘッドスピード」が必ず書かれています。
まずヘッドスピード43m/s前後の人は、その適合範囲内に自分が当てはまっているかを確認するのが、まず第一段階になります。
しかし、ヘッドスピードだけでボールを選ぶのは大間違い!同じ適合ヘッドスピードでも、まったく性質の異なるボールがあるんです!
ディスタンス系とスピン系
ゴルフボールは、大きく2種類に分けることができます。「ディスタンス系」と「スピン系」です。
ディスタンス系のメリットとデメリット
ディスタンス系のボールとは、「よく飛ぶように設計されたボール」のこと。「とにかくボールを前に飛ばしたい!」という理想を叶えてくれるボールです。表面のカバーが硬いため、打感も硬く感じるのが特徴。
ディスタンス系のボールはボールが前に行くように「低スピン」になっているので、飛んで曲がらないのが特長ですが、ボールがグリーン上で止まりにくいというデメリットもあわせ持っています。
スピン系のメリットとデメリット
スピン系のボールとは、「よくスピンがかかるように設計されたボール」のことです。表面のカバーは柔らかく、打感はソフトです。
スピンが多くなると、「ボールが高く上がりやすい」「ボールが止まりやすい」というメリットが発生するため、グリーンでピンポイントに狙うことが可能になります。
反対に、スピン量が多くなるとボールには上昇する力が働くため、高くは上がるものの飛距離は落ちるというデメリットがあります。
また、バックスピンという「タテのスピン」が増えるということは、「ヨコのスピン」もかかりやすいということ。なのでスピン系のボールは「曲がりやすいボール」とも言えます。
タイプ別に応じたボール選びのキホン
スライサーはスピン系を選んではいけない!
スライスが多いという人はクラブが開いてインパクトをする傾向があるので、もともとスピン量が多いタイプのゴルファーになります。
もともとスピン量が多いゴルファーがスピン系のボールを使うと、どうなるでしょう?
答えは明白ですね。スピンがさらに強くなるため、ドライバーでボールがふけ上がってしまい、飛距離が大きく落ちてしまいます。さらにサイドスピンまで増えてしまうため、スライスの曲がり幅が大きくなってOBの可能性も上がってしまいます。
ディスタンス系のボールであれば、スピン量を減らしてくれるので、ボールの高さもサイドスピンも抑えた力強いボールになります。
フック系が強い人におすすめのボールタイプは?
腕のターンが強く、フック系のミスが出やすい人は、どのようなボールを選べばよいでしょう?
フック系のボールは「低スピン」、つまりバックスピン量が足りていない状況なので、スピン系のボールでスピンを補うことでストレート系の球に近付きます。
スピン量が足りずにボールがすぐにドロップしてしまうという人は、キャリーが伸びて飛距離がアップするという効果が期待できます。
初心者や100切りを目指すならディスタンス系がおすすめ!
初心者の方やスコアが100を切れないという方は、ボールが曲がってミスになる傾向が強いです。
ですので、スピン量が少なくボールが曲がりにくい「ディスタンス系」がおすすめです。グリーンまわりでボールが止まりにくいという点もありますが、9番アイアンや8番アイアンを使ったランニングアプローチを基本に組み立てれば、十分にスコアメイクが可能です。
ボールを自由に操りたい中・上級者は「スピン系」が合う!
ゴルフは真っ直ぐ飛ばすだけのスポーツではありません。右へ左へとボールを思った方向に曲げられる方が、スコアメイクでは強い味方となります。
ゴルフ経験も豊富で、ボールを自由に曲げられるという方には、スピンがかかりやすい「スピン系」がおすすめ。ディスタンス系のボールだと、曲がりが抑えられるので思った以上に曲げられないからです。
グリーンまわりでも「トン、トン、ギュッ」という止まるアプローチが打てるため、思い切ってピンを攻めていくことができます。
ヘッドスピード43m/sに適合するゴルフボールは?
では、現在発売されているゴルフボールの中から、管理人である私が厳選したボールをタイプ別に紹介していきます。
初心者向けディスタンスボール
本間 D1ボール(適合ヘッドスピード:全領域)
国内老舗ゴルフメーカーである本間ゴルフから発売されている、超ベストセラーのゴルフボールです。
ベストセラーの理由は、何と言っても「商品の低価格」と「高性能」というギャップでしょう。
打感はディスタンス系の割にとても柔らかく、「飛んで曲がらない」という表現がぴったりのボールです。
カラーバリエーションも豊富なので、まわりとかぶりにくいという点でもGOOD!低価格なので、ボールを失くしやすいというゴルファーにも安心です。
タイトリスト ベロシティ(適合ヘッドスピード:全領域)
タイトリストといえば、上級者が使うイメージのブランドですが、そんなことはありません!
「タイトリスト史上最も飛ぶ」と銘打たれたベロシティは、低スピンでよく飛びます。柔らかく高級ボールと遜色ない打感と飛距離は、多くのユーザーから支持をえています。
「タイトリストのボールを使っている」というだけで、カッコいいイメージがあります。
ディスタンス系だけどスピン性能も欲しい人向け
上に紹介した初級者用のボールは、飛ぶには飛ぶけどグリーン上では止まりにくい「2ピース」のボールです。
ディスタンス系でも「3ピース」や「4ピース」のボールを選ぶことにより、ディスタンス系ながらスピンを補うことができます。2ピースに比べ、価格が高くなる傾向があります。
ブリジストン Tour B JGR(適合ヘッドスピード:38~48m/s)
「飛距離モンスター」という目を惹くキャッチフレーズで発売された、ブリジストン「JGR」シリーズのゴルフボールです。
私のゴルフ仲間がこのボールに変えたところ、ドライバーの飛距離が15~20ヤード伸びました。グリーンまわりでもスピンが適度にかかるので、「とてもいい!」と喜び、それ以来ずっとこのボールを使っています。
ボール初速がアップし、ドライバーだけでなくアイアンの飛距離アップにも役立つボールです。
スリクソン AD333(適合ヘッドスピード:38~48m/s)
「飛ぶのにスピンもよくかかる」と、旧モデルから話題でユーザーも多い、ロングセラー商品です。私もゴルフを始めて間もない頃にずっと愛用していたボールです。
飛距離とスピン性能を両方兼ね備えたモデルながら、価格もおさえめ。打感は柔らかくフェースにボールが吸い付くような打感は、今でも忘れることができません。
スピン性能にこだわる中・上級者向け
スリクソン Z-STAR(適合ヘッドスピード:38~47m/s)
ツアープロも使用する、飛距離性能もスピン性能も最高峰のツアーボール。
ヘッドスピード43m/sでもストライクなボールで、飛距離・スピン共に十分性能を発揮することができます。
姉妹品の「XV」はかなりのヘッドスピードが必要なので、手出しは無用です。
タイトリスト Pro V1(適合ヘッドスピード:全領域)
世界で一番売れているブランドといえば、タイトリストのPro V1シリーズ。国内だけでなく海外のツアープロたちもこぞって使用するボール性能はお墨付きです。
私も何度か使用したことがあるボールですが、全てのゴルフボールの中で打感はNo.1です。