「右手が上」のインパクトをできるようになると、ダフリやシャンクなどのミスショットが激減するだけでなく、アイアンで力強いボールが打てたりドライバーの飛距離が伸びたりと、いいことずくめ。
しかし、「右手が上ってどういうこと?」「実感がわかない!」「よくわからない・・・」という人も少なくないかもしれませんね。
<<この記事を読んでわかること>>
- なぜゴルフは「右手が上」が基本なのか?
- ゴルフの基本「右手が上」の正体
- 「右手が上」の状態を作るための方法
- 「右手が上」のゴルフスイングを身に付けるための練習ドリル
なぜゴルフは「右手が上」が基本なのか?
ではギモンにお答えしていく前に、なぜ「右手が上」にならないといけないのかをお話から始めます。「右手が上」というのは右打ちの方を対象にした言い方なので、左打ちの人は左手に変換して読み進めてくださいね。
「右手が上」というのは、「左手よりも」ということです。
スイング中「常に」右手が左手よりも上にある状態をキープすることにより、正しいスイングプレーンに導かれ、フェースもスクエアに保つことが可能になります。
反対に、どこかのタイミングで「右手が下がって」しまった場合、クラブはオンプレーンから外れるだけでなく、ダフリ・トップ・シャンク・チーピン・プッシュスライスなど、様々なミスを引き起こす要因となります。
こういった理由から、ゴルフ教本やネット上のゴルフ媒体などで「右手を上に!!」と声高に叫ばれているワケです。
どう考えても右手が下になるんですけど・・・?
「右手が上」にならないとミスショットが出てしまうというお話を理解してもらった上で、次は実際にスイングを見てみましょう。
まずはトップの位置。
うん。ちゃんと「右手が上」になっていますね。ここで右手が下になる人を私は見たことがありません(笑)。
では次に、フォローの位置です。
この写真はわかりやすくていいですね。左手よりも、ちゃんと「右手が上」になっています。
では最後に、インパクトの瞬間の右手の位置に注目してみましょう。スイング中は「常に右手が上」の状態になっていなければならないということでしたね。
「!!!」
右手、下になってますやん。
そうですよね。誰がどうみても右手が下に見えますね。この写真の女性が下手というわけでは決してありません(おそらくプロかそれに近いレベルだと思われます)。
右打ちの場合、グリップするときに右手と左手はズレた状態で構えます。アドレスすると、下の写真のように「左手が上・右手が下」になります。インパクトでも当然この形になりますから、やはり右手は下に位置します。
これが、「右手が上」という言葉に実感がわかないという人の原因だと思われます。
トップやフォローで「右手が上」になるのは理解できる。しかし、インパクトではどうしても右手が下になってしまう。
ゴルフの基本「右手が上」の正体
では、「右手が上」の正体をお答えしましょう。実は皆さんアドレスですでに「右手は上の状態」になっています。
「え?右手は左手の下にあるけど・・・」というあなた。アドレスした状態から体を起こし、グリップを胸の前まで持ってきてみて下さい。
ね?ちゃんと「右手が上」になりましたね。
「右手が上」の正体は、直立してグリップしたこの状態です。
「右手を常に上にして振りなさい!」という教えは、この状態を維持したままスイングしなさいよという意味です。
ではなぜこんな単純なことができないかというと、やはり前傾してアドレスをすると、どうしても見た目上は「右手が下」に位置してしまうからです。直立した状態ならできても、前傾するとできなくなる。
これがゴルフを難しくしている理由のひとつかもしれません。
直立すると「右手が上」になるけど、アドレスすると「右手が下」になってしまう。そしてその状態で「右手を上にしなさい」と言われても、ちょっとイメージが湧きづらいですよね。
そんなときには、思い切って「右手を上にする」という意識は捨てます。
要は、「右手が常に上にある状態」を作り出せばいいだけ話なので、別のものに意識を向けることで「右手が上」の状態を作り上げる方がイメージが湧きやすく簡単です。
「右手が上」の状態を作り出すための方法
直立してグリップした状態を思い出して下さい。もう一度写真を拡大して載せてみます。
要は、インパクトでこの形になればいいワケです。
このとき、右手がどのような形になっているかを確認してみましょう。
- 左手よりも右手の方が前にある
- 右手親指の下の膨らみがグリップの真上にある
- 右手の平が飛球線方向を向いている
このいずれかに意識を向ければ、インパクトで「右手が上」の状態を作り出せるということです。
左手よりも右手を前に出す
ゴルフを上達させる上でこの動きができるかできないかは、大きな差が出る部分です。
「右手が上」の状態を作り出す上で、インパクトで右手を前に出す動きは不可欠です。まずは第一歩として、インパクトで右手が前に出せるように練習をしましょう。
右手親指下にある膨らみがグリップの真上にする
「右手が上」の状態を作り出す際のイメージとして、右手親指の下にある膨らみが、インパクトでグリップの真上にあるかどうかをチェックする方法は有効です。
この膨らみがグリップの右側にズレると、シャフトは後方に倒れます。「シャフトが寝る」とは、この状態を指します。シャフトが寝るとヘッドが下に垂れるため、ダフリを引き起こします。ヒール側からアタックするので、シャンクも出ます。
このようにシャフトが寝ないように「シャフトを立てる」という表現がありますが、シャフトを立てるとはこういう意味です。
親指下の膨らみが真上にある意識を持つと自然とライ角も維持されるため、右手一本でボールを打つのも簡単になります。
右手の平が飛球線方向を向いている
スイング中に右手の平の方向をイメージするのも、「右手が上」の状態を作り出すのに役立ちます。
インパクトで右手の平が飛球線方向を向けば、自然と親指下の膨らみもシャフトの真上に位置するでしょう。
「右手が上」のゴルフスイングを身に付けるための練習ドリル
ハンガーで素振り
ハンガーを下の写真の形に握って素振りをすると、ゴルフの基本である「右手が上」のスイングを身に付けるのに役立ちます。
いつもハンガーで素振りをした感覚で振れると、力強くボールがつかまります。
スプリットハンドドリル
ゴルフクラブを持つときに、左手と右手の間隔を空けてグリップする「スプリットハンドグリップ」にすると、「右手が上」の状態を簡単に体感することができます。
ラウンド中でも、打つ前にスプリットハンドグリップで数回素振りをしてから打つと、ダフリやシャンク、スライスといった、クラブが下から入るミスは出にくくなります。
「フレループ」を使う
「右手が上」の状態は、練習器具の力を借りると早く身に付きます。
石川遼プロも愛用するフレループは、正しく「右手が上」の状態を作るのに最適な練習器具です。
クラブアナリストのマーク金井氏も、フレループを高く評価しています。
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