ゴルフのラウンド中、急に発生するアイアンのシャンク。右斜めに低く飛んで行くボールはOBや打球事故の危険もあり、一度出始めると止まらない厄介な存在です。
なぜシャンクは起きてしまうのでしょうか?
<<この記事でわかること>>
- アイアンがシャンクする原因
- シャンクは疲れが原因?
- シャンクと右膝の関係
- シャンクの直し方
僕も数年前までは、ラウンド中に突然出るシャンクにずっと悩まされてきました。スイングが悪いのか?それとも他に原因があるのかが全く理解できず、ゴルフをやめてしまおうかとまで思ったこともあります。
しかし、シャンクのきちんとした原因がわかってから、シャンクは出なくなりました。シャンクは原因さえわかれば、直るのは時間の問題です。
シャンクする原因
まず最初に、シャンクの主な原因についてお話をします。
シャンクは、アイアン特有のミスショットです。アイアンは構造上、フェース面よりもシャフトとヘッドの接合部(ホーゼル)が出っ張った形になっています。この出っ張った部分に当たることにより、ボールは右斜め方向に飛んで行きます。写真を見ると、ボールとフェース面の間に隙間ができていることも確認できます。
シャフトがボールに近付く
ボールがホーゼル部に当たってしまうもっとも大きな原因は、アドレス時よりもシャフトがボールに近付くことです。これが今回のお話のもっとも重要なポイントです。
シャンクはゴルフクラブの「特殊な形」に理由があります。野球やテニスなどの競技をやったことのある方ならすぐに理解できると思いますが、野球のバットやテニスラケットは構造上グリップの延長線上に「芯」があります。ところがゴルフクラブは「L字」の形をしており、グリップの延長線上から外れたところにフェースがあります。
ゴルフクラブを握ると、本能上どうしても「棒でボールを叩く!」という意識が働いてしまい、シャフトとは離れた位置関係にあるヘッドへの意識が希薄になってしまいます。こういう意識が常にある人はシャンクが止まらないと悩むことになります。
テークバックの悪い癖
テークバックでフェースを開く悪い癖のある人は、重度の「シャンクが止まらない病」かもしれません。
「ショートアイアンでシャンクする3つの理由と防止方法」でも詳しくシャンクの理由について触れていますが、フェースが開くとヒール側からアタックしていく形になるので、シャンクしやすくなります。バンカーショットやフェースを開いたアプローチでシャンクしやすいのはそのためです。
シャンクとダフリは同じ原因だった?
シャンクとダフリはゴルフの大きなエラーとして知られています。
実はシャンクとダフリは同じ原因で起きていることはあまり知られていません。
先ほど、テークバックでフェースを開いてしまう「悪い癖」についてお話をしました。実はアイアンはフェースを開いてしまうと重力でヘッドが垂れてしまい、地面に当たってダフリを引き起こします。
芯で捉えるコツを知らない
しかしフェースをいくら開いても、要はホーゼル部にボールが触れなければシャンクはしません。実験としてアイアンのフェースを45度くらい極端に開いてボールを打ちましたが、ホーゼル部に当たらないようにスイングすれば綺麗に打ててしまいます(もちろん球筋は高いスライスですが)。
スコアメイクしていく上で意図的にフェースを開いて「上げて止める」とか「インテンショナルでスライスを打つ」場面はとても多いです。そういう球を積極的に打っている人がシャンクばかりかといえば、決して違います。単純にクラブの芯で捉えているからシャンクをしないという理屈です。
アイアンのシャンクが止まらないという人は、ゴルフクラブの芯で捉える技術が乏しい傾向があります。
シャンクは疲れが原因?
ラウンド後半に疲れが出てくると、シャンクが出るという話を聞きます。
ゴルフというのは、腕の振りと体の動きが同調してはじめてナイスショットが打てます。
ところが、体が疲れてくると、腕の振りが遅れてしまって体だけが回転します。すると体が開いた状態で腕が大きく振り遅れてしまい、フェースが開いてシャンクが出てしまいます。
同じようなことが原因でアイアンのシャンクが出てしまうことがあります。
それは、中途半端な距離を打つショートアイアンやアプローチです。
比較的短い距離を打つとき、どうしても腕の振りが緩みがちになります。腕の振りが緩むと同じく振り遅れになりやすいので、アイアンのシャンクが出てしまいます。
シャンクと右膝の関係
アイアンのシャンクは、右膝の動きによっても起こりやすくなります。
右膝とシャンクにどのような関係があるのでしょうか?
トップからダウンスイングにかけて、右足を蹴る動作が入ります。このときに右膝が前に出てしまうと、手元も前に出てしまいます。
手元が前に出るということは、シャンクの原因となる「シャフトがボールに近付く」動きとなるので、シャンクが出てしまいます。
シャンクが止まらないという人には、右膝が前に出る癖がよく見られます。
シャンクの直し方
トゥーで打つ意識を持つ
シャンクの根本的な原因は、ボールにシャフトが近付くことです。
なので今のスイングのままシャンクをしないようにするためには、ボールにシャフトが近付かないようにするしかありません。
では具体的にどうすればいいのか?
シャンクが止まらなくなったらフェースの先端(トゥー)でボールを打つようにしてみて下さい。
アイアンの先っぽで当たりそうな気がしますが、シャンクが止まらなくなった人はこの意識でちょうど真ん中付近に当たります。
シャフトがボールに当たらないように素振りをする
シャンクがなかなか直らないという人にとっておきの素振りがあります。
アイアンを逆さに持って、グリップ(シャフト)がボールに当たらないように素振りをする方法です。
先ほど、ゴルフクラブは「L字」の形をしており、シャフトの延長線上にヘッドがないというお話をしました。重度のシャンク病の人は、恐らくボールに当たってしまうと思います。シャンクを直すには、ボールの手前を通過するように素振りを繰り返してみましょう。
すると普通にグリップしたときに、不思議とシャンクが出なくなっていると思います。
ラウンド中にこの修正法をやるのは効果的ですが、間違ってボールに当たってしまうと1ストローク取られてしまうので注意しましょう(笑)。
芯で捉える能力を養う
ゴルフが上手い人ほどフェース面の狙った所にボールを当てられる能力が高いです。だからプロや上級者は芯を外しません。
アイアンだけでなくあらゆるクラブで「芯で捉える能力」は必須です。芯で捉えて初めてボールが遠くまで飛び、狙った所に打てるからです。
そんな能力が本当に身に付くのか?と疑問に感じる方がいるかもしれませんが、十分に可能です。人間の空間認知能力は想像以上に高く、芯でボールを打つという意識を持てば必ず能力は身に付くのです。
練習には「インパクトマーカー」を活用しよう!
シャンクが止まらないという方は、ボールの打痕が残る「インパクトマーカー」などのシールをフェース面に貼ってボールを打つ癖をつけましょう。シャンクが止まらない病の人は打痕がシャフトに近い方(ヒール側)に外れることが多いと思います。
下の写真のように真ん中に打痕が集まってくるように意識をすると、芯に当てる能力が付いてきます。
腕と体の動きを同調させる
スイング中に腕が緩んで振り遅れてしまうと、シャンクが出やすくなります。
そのため、腕の振りと体の動きを同調させることで振り遅れを防止し、シャンクを防ぐことができます。
振り遅れを防止するためには、グリップエンドに注目します。
スイング中、常にアイアンのグリップエンドが自分を指しているように振れば、大きな振り遅れはなくなります。
シャンク改善に効果的な練習器具を使う
冒頭で、ゴルフクラブのの「L字」構造についてお話しました。ゴルフクラブはシャフトの延長線上にヘッドがないため、シャンクしたりクラブが寝たりといったエラーを引き起こします。
そんなゴルフクラブの特性を上手くとらえた練習器具があり、
- シャンク
- ダフリ
- プッシュアウトスライス
などの改善に役が立ちます。
フレループはシャフトの先端が弓のように反っているのが特徴の素振り用練習器具で、ゴルフクラブの「L字」構造を再現しています。
フレループで素振りを繰り返していくうちに、シャンクやダフリ、プッシュアウトなどの原因となる「シャフトが寝る」という悪癖がなくなります。
オンプレーンスイングに自然と導かれるので、飛んで曲がらないスイングが身に付くと、超ベストセラーなおすすめ練習器具です。
女性用もありますよ♪
ベタ足で振る
ダウンスイングにかけて右膝が前に出てしまう癖のある人は、インパクトまで右足のかかとを浮かせない「ベタ足」を強く意識すると、シャンクが出にくくなります。
これはシャンクだけでなく、下半身を使ったスイングの基本となる動きとなるので、覚えておくと方向性や飛距離アップに役立ちます。
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