アプローチは左足に体重をかけて、体重移動をしないように打つ。このように教えられた人がとても多いと思います。どうですか?この方法でザックリが改善されたでしょうか?
もしも左足体重にしてもザックリが減らない、もしくは、むしろ酷くなったというのであれば、その左足体重が原因なのかもしれません。
なぜ「左足体重にしろ」と教えられるのか?
ところで、アプローチはどうして左足体重にしろと教えられるのでしょうか?
私もゴルフを始めて間もない頃は、よくハンディ15くらいの先輩に「左足体重のままで打て!」と指導されました。10ヤードくらいのグリーンサイドだけでなく、50ヤードとか比較的長い距離でも「左足体重」を強調されました。
そのハンディ15くらいの先輩は、平均して90前後、上手くプレーすると80台前半でラウンドする人だったので、初心者の私にとって「とても上手な人」でした。そんな人が言うことだから、間違いないと思って素直に聞いていました。
その先輩はボールを右足の前(場合によってはもっと右)に置き、はたから見てもハッキリと左足体重だとわかるくらいに体を飛球線方向に傾け、「ガツン」とクラブヘッドを打ち込んで低いボールのアプローチを打っていました。ヘッドは地面に刺さるように鋭く入るため、フォローはほとんどありません。
先輩曰く、「アプローチはハンドファーストにして上から打ち込むようにクラブを鋭角に入れないとだめだ。そうじゃないと、しっかりスピンが入らないだろ。左足体重にしてボールを右に置けば、芝よりも先にボールに当たるから、ザックリなんてしないよ。プロだって、みんなそうやってるんだから。」とのこと。
「なるほど、たしかにその通りかも」と試してみるものの、私がやると、ザックリのオンパレード。何度打っても、クラブが地面に突き刺さります。先輩は「もっと左に体重!もっと!もっと!!」と指導に熱が入ります。「もうこれ以上左に乗せられないよ・・・」という私の体は、30度近くも体が飛球線方向に傾いています。どこからどうみても、「おかしな格好」です。それでもザックリはおさまりませんでした。
左足体重がザックリの原因に!?
この当時は、まさか左足体重がザックリの原因だとは思いもしませんでした。しかし、ゴルフクラブの「構造」に視点を移すと、左足体重になればなるほどザックリの可能性が上がるということがわかってきました。
ハンドファーストにして左足に体重をかけていくと、ウェッジのロフトが立っていきます。ウェッジには「ザックリ防止」のために「バンス」というふくらみがあります。このふくらみがあることで地面を滑り、ザックリしなくなります。ところがロフトを立てることでバンスが失われてしまいます。言い換えれば、せっかくの「ザックリ防止機能」を自ら使えなくしているわけですね。ロフトを立てるとリーディングエッジが刃のように地面に突き刺さってしまいます。
左足体重にすることでクラブの軌道が鋭角になってしまうのも、ザックリの原因です。上から下に急角度で降りてくるために、刃が地面に刺さりやすくなります。
右足体重でも打てることを理解する
答えを言ってしまうと、アプローチは右足体重でも上手に打ててしまいます。「右足体重の方が」と言ってしまったほうがいいかもしれません。なんなら、慣れれば右足一本だけで立っても打てます。
その秘密は、「バンス」と「軌道」です。
先ほどバンスは、ロフトを立てれば立てるほどなくなってしまうというお話をしました。反対に言えば、ロフトが空を向けば向くほどバンスは「生きて」くるわけです。右足体重にすることで過度なハンドファーストが抑えられ、バンスを上手く利用してクラブを滑らせることができます。
また、右足体重のスイングではクラブが低い所から入ってきますので、ボールの手前から「掃くように」クラブを使うことができます。ウェッジを上手に使うコツは、このようにボールの手前から掃くようにして、バンスを滑らせてあげることです。
左足体重でザックリが多いという人は、思い切って右足体重でアプローチを打ってみて下さい。ひとつだけ注意点があります。それは「右肩を下げない」ということ。右肩と地面の距離関係が変わらないように打ってあげると、クラブがうまく滑ってボールを拾ってくれるはずですよ!
次回のラウンドで、ぜひ試して下さいね。