手の動きが変わればゴルフクラブの軌道は変化します。ゴルフクラブを支えているのは手であり、手の動きがグリップを通じてヘッドに伝わるからです。
今回のお話は右手です。右手の使い方がわかると、ドライバーのスライスがなくなったり、飛距離を大幅にアップすることが可能になります。
<<この記事でお話すること>>
- ゴルフにおける右手と左手の役割
- ゴルフは右手で振るとインサイドアウトに振りやすい
- ゴルフで飛距離の出せる右手の使い方
- ゴルフはいつも右手が上
- 右手一本でゴルフクラブを持って打つ練習
ゴルフにおける右手と左手の役割
ゴルフでは両手でクラブを握りますが、右手と左手の担っている役割は違います。
押し手と引き手
右手は「押し手」と呼ばれ、その名の通りボールを遠くに向かって押す力を発揮します。体から外側に向かって離れていく動きを得意とし、右手一本で振った時の軌道はインサイドアウトになりやすいです。
もう一方の左手は「引き手」と呼ばれます。体の外側から内側に向かって引っ張り込む動きを得意とし、左手一本で振った時の軌道はアウトサイドインになりやすいです。
このように、主体とする手をどちらかにするかによって振りやすい軌道が変わります。右手を主体とすれば外に押し出すインサイドアウトが振りやすく、左手を主体とすると体側に引っ張り込むアウトサイドインに振りやすくなります。
日本人は引くのが得意?
日本人は押すよりも引く運動が得意と言われています。古来よりノコギリや包丁など、手前側に引っ張るようにして動かすものが日本には多く、それが由来だとも言われています。
そのためか、日本人のゴルファーはドライバーを持つと引っ張り込むようにして振る傾向が強いため、アウトサイドインのスイングが多いのではという説があります。
ゴルフは右手で振るとインサイドアウトに振りやすい
右手は体の内側から外側に向かって放り出す動きが得意なため、ドローボールを打つ上で必須となるインサイドアウトの軌道が作りやすくなります。
スイング中に右手の動きをコントロールすると、ドライバーでスライスの出にくいヘッドの動きを実現できます。
極度のスライサーだった当時の私は、インサイドアウトのスイングを作るために「右手の動かし方」を徹底的に修正したものです。
ゴルフで飛距離の出る右手の使い方
右手をインサイドアウトに動かす
ドライバーのスライスに悩んでいた私は、ヘッドをインサイドアウトに動かすには「右手をインサイドアウトに動かせばいい」ということに気が付き始めました。左手主体のスイングでは、どうしてもイメージができなかったためです。
そこでいったんドライバーを握るのやめ、右手でボールを投げる練習を繰り返しました。投げ方は野球の「アンダースロー」のような感じで、ボールを「右斜め前」に投げます。まるで自分の右手がドライバーであるかのように、ドローボールのイメージでフック回転するボールをひたすら投げました。
私は自宅の部屋で柔らかい軟式のテニスボールを使って、カーテンに向かって投げていました。柔らかいボールであれば、室内でも安心して右手の動きを練習できますからね。
この練習をひたすら繰り返したことで、右手の正しい動きが身に付いたと思っています。
卓球のドライブを打つイメージ
右手を卓球のドライブを打つように、右手の平を下に向けてこすり上げるように動かすとドロー系のボールが打ちやすくなります。
私は中学・高校とテニス部だったため、ドライブを打つのは簡単にイメージすることができました。
スライスが出てしまうときは右手の平が上を向いたままになっていますが、反対に右手の平を下に向けてかぶせるようにして使うことで、つかまったボールが打てるようになります。
右手で押す力を発揮する
以前、プロゴルファーである岡本綾子さんの著書を読む機会があったのですが、その中で岡本プロは飛距離を出すための「右手のグリップの形」について触れられておりました。
グリップをしたときに右手の人差し指が「カギ型」になりますが、この形が正しく作られるとボールを力強く押せるのだそうです。
このグリップの形を作るために岡本プロは、車の運転中もハンドルをグリップに見立てて、ずっと右手の「カギ型」を練習していたのだそうです。
「正しいゴルフスイングは正しいグリップから」と言われますが、右手の役割を如実に表したエピソードに「なるほどなあ」と頷かされました。
右手の力を活かせるボールポジション
右手は体の方から外側に押すことを得意とするというお話をしました。アドレスをしたときのボールポジションによって、右手の力を活かし、よりインサイドアウトに動かしやすくなります。
「ドライバーでドローを打つときの正しいボール位置とは?」では、右手の役割を活かしやすいボール位置についてお話ししています。ドライバーのスライスを直したい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
ゴルフはいつも右手が上
ゴルフでぶ厚い当たりを産み出したり、ボールを正しくつかまえるには、スイング中常に右手は左手よりも上にある状態を作らなければいけません。
反対に、インパクト付近で右手が左手よりも下になってしまうと、クラブが寝てシャンクやダフリ、プッシュアウト、スライスといった様々なエラーが起きてしまう原因になります。
スイング中に「右手が上」の状態を作り出すには、ハンガーを使った素振りが効果的です。ハンガーを下の写真の形で持って素振りをすることで、正しい右手の使い方がわかります。
またゴルフクラブを握る時に右手と左手の間隔を離して持つ「スプリットハンドドリル」も、強制的に「右手が上」の状態を作り出してくれるので、ゴルフにおける正しい右手の使い方が理解できます。
右手一本でゴルフクラブを持って打つ練習
ゴルフの正しい右手の使い方をするには、右手一本でゴルフクラブを持ってボールを打つ練習が効果的です。
右手一本で打つと、ゴルフの基本的な動きである「インサイドアウト軌道」をマスターできるほか、フェース面をスクエアに保つ訓練にもなるのでおすすめです。
右手一本で打つ練習は下の記事を参考にしてみて下さい。