一般的に「初心者ゴルファーは7番アイアンで練習をはじめると良い」と言われます。
とはいえ、中には「どのような練習をやればいいかわからない」という方も多いと思います。
この記事では、初心者ゴルファーの方におすすめの7番アイアンの練習メニューや、練習を行うさいの注意点などを解説します。
【初心者におすすめ】7番アイアンの練習メニュー
初心者ゴルファーの方におすすめの7番アイアンの練習メニューは、次の5つです。
- ビジネスゾーン
- スリークォーターショット
- 両足を揃えて打つ
- ティーアップをして打つ
- 100ヤード先を狙う
それぞれ詳しく説明します。
練習①ビジネスゾーンをマスター
ビジネスゾーンとは、時計だと腕が「4時から8時」の間で行われる、小さなスイングです。
もう少しわかりやすく説明すると、「テークバックでクラブが地面と平行」「フォローも地面と平行」です。
ちなみにビジネスゾーンは、ゴルフでもっとも大事なスイング練習になります。
なぜこう呼ばれているかというと、どんなに変な打ち方であれ、この範囲内だけ正しく振れさえすれば「仕事(ビジネス)になる」からです。
つまり、ビジネスゾーンはスイングの「基礎中の基礎」。これを徹底的に練習すれば、誰でもゴルフが上手くなれるということですね。
7番アイアンを使ってビジネスゾーンを練習するときは、下記2点をチェックすればOKです。
- テークバック:手が右腰の高さにあるときシャフトが目標と平行
- フォロー:手が左腰の高さにあるときシャフトが目標と平行
繰り返しますが、上記がゴルフスイングにおいて究極の基本形になるので覚えておきましょう。
下の動画がわかりやすいと思います。
ここでの練習テーマは、7番アイアンで芯に当てる感覚と、ボールをつかまえる感覚を養うことです。
練習場にある30ヤードとか50ヤードとかの看板に目標をとって、まっすぐ打てるようになるまで繰り返し練習しましょう。
練習場に来たときに必ずこの練習をやると、上達が早いと思います。
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練習②7番アイアンでスリークォーターショット
7番アイアンでのビジネスゾーンが上手く打てるようになったら、スイング幅を大きくしてみます。
スリークォーターショットは、腕が「2時から10時」までの範囲で行われるスイングです。
スリークォーターとは「3/4」です。その名のとおり、フルショットの3/4程度の大きさのスイングを指します。
とはいえ、上手く打てるとフルショットと変わらない距離が出せるだけでなく、方向性も出しやすい打ち方なので、習得するとスコアメイクにとても役立ちます。
プロでもフルショットはあまりせずに、スリークォーターばかりで攻めてくる人もいるくらいです。
スリークォーターショットでは、手が頭の高さくらいまで上がることになります。とはいえ、やることはあくまでビジネスゾーンの延長です。ビジネスゾーンでのクラブの動きをなぞるようにして打ちましょう。
テークバックでは、左手首が甲側に折れないように注意します。
なぜかというと、左手首が甲側に折れるとフェースが開くからです。フェースが開くとスライスになるだけでなく、飛距離が出ない原因になるので要チェックです。
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スイングが大きくなるほど「飛ばしたい」という気持ちが働くかもしれません。
しかし、力が入るとかえって飛ばないばかりか芯に当たらなくなります。
いずれわかることですが、7番アイアンは飛ばそうと思わなくても勝手に飛ぶクラブなので、力まずにリズムよく振ることだけを心掛けましょう。
練習③両足を揃えて7番アイアンを打つ
初心者ゴルファーの方におすすめなのが、7番アイアンを持って両足を揃えて打つ練習です。
おすすめの理由は、ゴルフ上達に不可欠なフェースローテーションと軸回転のスイングをマスターできる点です。
ゴルフで力強くつかまったボールを打つには、フェースローテーションが不可欠です。
また背骨を中心とした軸回転のスイングは、ショットのブレを軽減してくれます。
両足を広げたスイングは左右に軸ブレを起こしやすくフェースローテーションや軸回転のスイングがしづらいため、両足を揃えて打つ練習が効果的なんです。
最初はハーフスイングの大きさから始め、徐々にスイング幅を大きくしていくといいでしょう。
練習④ティーアップをして7番アイアンを打つ
初心者の方にとって、マットの上のボールを7番アイアンで打つのは少し難しいかもしれません。
7番アイアンは比較的ロフトが立っているため、上手く打たないとボールが上がらないからです。
とはいえ、ボールを上げようとする動きはスイングにとってマイナス面しかありません。
そこでおすすめなのが、ティーアップしたボールを7番アイアンで打つ練習です。
ティーアップすればボールが上がりやすいので、上げようという意識が少なくて済みます。
練習⑤100ヤード先を7番アイアンで狙う
100ヤード先の看板やグリーンを狙って7番アイアンを打つ練習です。
初心者ゴルファーでも、人によっては7番アイアンでもっと長い距離を飛ばせる人もいると思います。7番アイアンは男性なら平均して130~150ヤードを狙うクラブなので、物足りない感じもしますよね。
しかし、あえて距離を落として100ヤード先を狙う練習は有益です。
理由は下記のとおりです。
- 方向性が良くなる
- 芯に当てやすい
- 飛ばしたい意識がなくなる
- スイングの完成度合いがわかる
7番アイアンで100ヤード先を狙うのは、簡単そうに思えて案外難しいです。
フルショットよりも加減して打つショットなので、スイングの良し悪しがハッキリ出てしまうからです。
しかし、7番アイアンで100ヤード先を正確に狙えるようになった頃には、さらに長い距離の精度もかなり高くなっているはずです。
7番アイアンの練習で注意すべきポイント
初心者ゴルファー方が7番アイアンを練習する際に注意すべきポイントは、次の3つです。
- 飛ばそうとしない
- 上げようとしない
- フィニッシュまで振り切る
飛ばしたい、上げたいという意識は、ゴルフにおいてマイナスに働きます。
なぜかというと、飛ばしたい意識は無駄な力みを生み、上げたい気持ちはスイングを歪めるからです。
ゴルフボールを効率的に飛ばすには、人間の持つ力を使うのではなく、クラブの重さを使うことです。そのためにはグリッププレッシャーを弱めて脱力しなくてはいけません。
また、アイアンでボールを上げるためには、すくい上げるのではなく、ダウンブローまたはレベルブローでインパクトする必要があります。
細かい話はまた別の機会に譲るとして、大事なのは「ボールはクラブが勝手に飛ばして(上げて)くれる」と信じること。自分でどうにかしようとしないことです。
そしてもうひとつ大切なのが、スイングの大きさにかかわらず決められたフィニッシュまでしっかりと振り切ることです。
ゴルフでもっともよくないのが、「当てて終わり」のスイングです。
そうではなくて、「インパクトはスイングの過程にある」と考え、最後まで無心で振り切る気持ちがとても大切です。
「初心者は7番アイアンで練習すべき」と言われる理由
一般的に言われている理由は「ちょうど中間の長さだから」です。
14本あるクラブの中で、7番アイアンは真ん中くらいの長さ。だから7番アイアンが打てれば他のクラブもスムーズに打てるはず、というのが世間の考え方です。
✓7番アイアンにこだわらなくていい理由
とはいえ、僕は初心者ゴルファーが7番アイアンにこだわる必要はないと思っています。
理由は、7番アイアンは初心者の人にとって球を上げづらく難しいからです。
構えてもらうと、7番アイアンのロフトは意外と立って見えないですかね?
実際にボールを打っても球が上がりづらいため、下手をすると「ボールを上げたい」という気持ちが強く働いてスイングに悪影響を及ぼす可能性があるんです。
【7番はNG】打ちっぱなしで初心者がメインに練習すべきクラブとは?でお伝えしましたが、僕のおすすめはピッチングウェッジか9番アイアンです。
ピッチングウェッジや9番アイアンならロフト角が大きいので、勝手にボールが上がってくれます。
7番アイアンで失敗経験を重ねるより、より簡単なクラブで成功体験を重ねた方が練習が楽しくなり、正しいスイングも身に付けやすいと思います。
初心者が目指すべき7番アイアンの飛距離
「7番アイアン 飛距離」とググってみると、140ヤードとか150ヤードくらいがヒットすると思います(男性の場合。女性の場合は90~100ヤード)。
もしかして、この数字を見て「自分は全然飛ばないなあ…」と落ち込む人もいるかもしれません。
しかし、初心者の方がいきなり150ヤードを目指さなくてもOK。また、現状との飛距離差に落ち込む必要もありません。
なぜなら、多くの人が答える飛距離は「ちゃんと当たれば」という前提での数字だからです。
どういうことかと言うと、あくまで150ヤードは最大飛距離であって、平均値ではないということです。たとえば、ちゃんと芯に当たれば150ヤード飛ぶけど、120ヤードしか飛ばないときもある、ということですね。
アイアンは、あくまでもターゲットを正確に狙うクラブ。そのため、飛距離は「飛ばせる距離」ではなく「狙える距離」であるべきです。
たぶん、一般のアマチュアゴルファーが7番アイアンで正確に狙えるのは100~120ヤードが限界だと思います。それ以上だと多くの場合、ダフりやトップ、大曲りです。
ですから初心者の方が目指すべきなのは、150ヤードという根拠のない数字ではなく、7番アイアンで狙える距離を少しづつ伸ばしていくことだと思います。