アイアンの引っ掛けが多くてスコアにならない。
ドライバーはある程度まっすぐ打てるのに、どうしてアイアンだけ引っ掛けるんだろう?
たまにシャンクも出るし、これじゃ怖くてゴルフにならない…。
上記のような悩みを持っている人は多いと思います。
そして多くの人は、引っ掛けは「スイングの問題だ」と考えているかもしれません。
しかし、確かにそれも一つの原因なのですが、意外なところに引っ掛けの原因が隠れているケースが多くあります。
そして、それに気が付き、注意を向けることができれば、アイアンの引っ掛けは驚くほど減るでしょう。
引っ掛けとは
引っ掛けとは、ボールが左に飛び出し、さらに左に曲がる球筋です。
ところで、アイアンで引っ掛けるときにはインパクトでどのような現象が起きているのでしょうか?
引っ掛けのメカニズムを理解しておくことは、修正する上でも重要です。
引っ掛けのメカニズム
引っ掛けは、下記の球筋が同時に起こる現象です。
- ボールが左に飛び出す
- ボールが左に曲がる
重要なのは、引っ掛けは多くのスライスと同じように「アウトサイドイン軌道」が主な原因である、という点です。
下の図を見てみましょう。
ゴルフスイングは、真上から見るとスタンスに対して「円運動」です。
体が左右に動かないとすれば、スタンスの中央を頂点とした円になります。
図を見てみると、ボールが左に飛び出すのは円の頂点を過ぎた後だというのがわかります。
このとき、スタンスに対する軌道はアウトサイドインです。
ここからわかることは、ボールを左に置くほどアイアンは左に飛び出しやすくなる、という点です。
しかし、アウトサイドインは何もボール位置だけの問題ではありません。
あとで詳しく説明しますが、アドレスやテークバックなどもスイング軌道に大きな影響を与えるのです。
また、左に飛び出し、さらに左に曲がるということは、軌道に対してフェースが閉じているということです。
下図のような形ですね。
ボールに対してアウトサイドイン軌道で入り、さらに軌道に対してフェース面がクローズになると左に曲がる。
これがアイアンを引っ掛けるメカニズムです。
とはいえ、何もアウトサイドインが悪いスイングというわけではありません。
スイング軌道よりもフェースが左に向いていると問題ですが、わずかに右を向いていればフェードボールが打てるからです。
引っ掛けを直すために「インサイドアウトに変えよう」と思うかもしれませんが、アウトサイドインのままでも十分に使えるスイングなんです。
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アイアンを引っ掛ける5つの原因
今お伝えしたアイアンの引っ掛けのメカニズムを元に、原因を探ることにしましょう。
アイアンを引っ掛ける原因は、主に次の5つです。
- ボール位置
- アドレス
- グリップ
- テークバック
- ライ角
それぞれ解説します。
①ボール位置
アイアンの引っ掛けが出てしまう原因として、ボール位置が左すぎることが挙げられます。
ボールを左に置きすぎると、軌道がアウトサイドインになり、左に飛び出しやすくなるからです。
また、インパクトのタイミングが遅れるので、フェース面がかぶる確率も高くなります。
②アドレス
アイアンの引っ掛けは、アドレスが原因になることがあります。
構えたとき、右肘が左肘よりも前に出ていませんか?。
右肘が前に出た構えは、右肩も前に出て、アウトサイドイン軌道になりやすいアドレスです。
③テークバック
テークバック時の捻転が浅いとアウトサイドイン軌道になりやすく、アイアンで引っ掛けが出る原因になります。
インサイドからボールを打つためには、十分な捻転が不可欠です。
④グリップ
グリップがアイアンの引っ掛けの原因であることは、意外と多いです。
たとえば極端なストロンググリップだったり、右手を下から握ったようなグリップだと、インパクトでフェースが左を向きやすくなります。
⑤ライ角
ライ角とは、アイアンのソールとシャフト軸線を結んでできる角度のことです。
もしかすると、引っ掛けがでるのはアイアンのライ角があなたに合っていないのが原因かもしれません。
インパクトでアイアンのトゥが浮くくらいにアップライトだった場合、ボールは左に飛びやすくなります。
これは「つま先上がり」のライと同じような状況になるからです。
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アイアンの引っ掛けとシャンクの関係
引っ掛けとシャンクが両方出るという方もいるかもしれません。
実はアイアンの引っ掛けとシャンクは、とても深い関係にあります。
なぜかというと、引っ掛けもシャンクも、アウトサイドイン軌道が原因であるという点で共通しているからです。
シャンクは、アイアンのネックにある「ホーゼル」という部分にボールが当たることで起きるミスショット。
アウトサイドイン軌道ではボールよりもヘッドが外から入ってくるため、ネック寄りに当たりやすくなる、という仕組みです。
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アイアンの引っ掛けの直し方
簡単に引っ掛けを直せる方法を紹介します。
- ボール位置を右寄りに
- 正しいアドレスとグリップ
- 十分な捻転
①ボール位置を右寄りに
アイアンの引っ掛けが止まらないという人は、いつもよりもボール位置を1個から2個分右寄りにすることで、左にボールが飛び出す引っ掛けを防止することができます。
ボール位置を右寄りにすることで、同時にアドレスで右肘が前に出るのを抑え、アウトサイドイン軌道を直すことができます。
②正しいアドレスとグリップ
アイアンを引っ掛ける原因であるアドレスとグリップは、スイング改造のように労力や時間をかけずに修正することができます。
アドレスで注意すべきポイントは、両肩・両肘・腰のラインが飛球線と平行になっているかという点です。
特に肩と肘のラインが左を向くとアウトサイドイン軌道になって引っ掛けやすくなりますので、注意深く構えるようにしましょう。
またグリップは、いつでも正しく握られるべきです。
グリップひとつでその日の調子が左右されるくらいに重要なものだからです。
③十分な捻転
引っ掛けを防止するためにも、テークバック時の捻転は十分に行います。
捻転が浅いと、アウトサイドイン軌道になって引っ掛けが出やすいからです。
捻転が十分だと、インサイドから正しくインパクトできます。
テークバックは手で「ヒョイ」と持ち上げるのではなく、胸が飛球線後方に向くまでしっかり回すことを意識しましょう。