10年近くゴルフをやっているのに、いまだに100切りしたことがない。
そろそろ真剣に100切りを目指したいけど、きっと今までと同じ練習をしても100切りは無理だろうな…。
スコアメイクには、いったい何が必要なんだろう?
【勘違いです】どうしても100が切れないのはゴルフのセンスがないから?でお伝えしたように、10年近くのゴルフ歴があって100切りできないのは、センスどうこうではなく「やり方」が間違っているだけにすぎません。
そして、そのやり方こそが、これからお話するスコアメイクの核心です。
この記事では、100切りを成功に導くスコアメイクの鉄則を10個ご紹介します。
とはいえ、マスターするのに何ヶ月もかかるような技術的な内容はありません。
僕の好きな言葉に「ゴルフは考え方が9割」というものがありますが、これからお話するのは100切りに欠かせないスコアメイクの基本となる考え方です。
そして、この後で紹介する「スコアメイクの10の鉄則」さえ理解して実戦すれば、次のラウンドで100切りを達成することも可能になります。
今日のお話は、次のステップである90切りや80切りの基礎となる内容でもありますので、繰り返し読んでいただけると幸いです。
スコアメイクとは?
100切りを成功させるためには、そもそもスコアメイクの意味を知らなければいけません。
スコアメイクとは「目標スコアを認識し、それを達成するために必要な行動すること」です。
これは仕事とよく似ています。
会社には予算という目標数値があり、それを達成するために必要な施策を行います。
ゴルフも全く同じで、100切りを目指すのであれば、100切りに必要な要素を理解して、実行に移さなくてはいけません。
ここで重要なポイントが、不必要なことをやらない、という点です。
もう一度仕事の話に戻しますと、これはたとえばあなたの月の予算が100万円にもかかわらず、10億円の商談をまとめるために奔走するのは無駄である、ということです。
商談が決まれば表彰ものかもしれません。しかし、もし仕事のすべてをつぎ込んでいたとしたら、100万円がゼロになる可能性だってあるわけです。
これはゴルフにも共通して言えることです。
練習場では多くの人がプロのような美しい弾道を目指してボールを打っています。
これはこれで素晴らしいことなのですが、スコアメイクという観点から考えると方向性がズレているように感じます。
結論を言えば、100切りにスーパーショットも250ヤード越えるようなドライバーショットも必要ありません。もっと言えば、90切りや80切りにも不要でしょう。。
100切りに必要なのは、これからお話するスコアメイクの鉄則のみです。
あとはある程度ドライバーやアイアンがダフらずに飛ばせるなら、スキルとしては十分だと思います。
100切りのスコアメイクとは、100切りするとしっかりと認識し、それに必要なこと「だけ」を行うことです。
100切りに必要なスコアメイクの鉄則
100切りを成功に導くスコアメイクの鉄則は、次の10箇条です。
- 朝練は必須
- トラブルを徹底的に避ける
- 飛距離より方向
- ダフリよりトップ
- 余裕あるクラブ選択
- パーオンさせない
- サンドウェッジは「使用禁止」
- パターはタッチだけ
- 救済ルールを熟知する
- 「やればできる」と信じる
それぞれ解説します。
①朝練は必須
100切りのためのスコアメイクは、ラウンド当日の朝からすでに始まっています。
ゴルフ場には早めに到着し、朝練をやりましょう。
朝練をやるやらないで、5~10打は余裕で変わる可能性があるからです(信じられないかもしれませんが…)。
朝練のメリットは、次のとおりです。
- 体がほぐれる
- 当日の球筋の癖を見抜く(フック?スライス?ダフリ傾向?)
- 1番ホールの予行演習ができる
絶対にやってはいけないのが、スイングの修正です。
これは、たとえば「今日はスライスが多いな」というときに、ドローが打てるまでやけになってボールを打ち続けるような行為を指します。
しかし、僕の経験上、100%と言っていいくらい失敗します。
失敗しないゴルフ当日の朝練【結果を出すラウンド前の下準備】でお伝えしているとおり、朝練で当日の球筋の癖をつかんだら、その日のラウンドはその球筋を貫くほうが間違いなくスコアメイクは上手くいきます。
では、朝練でドライバーが大きくスライスするとして、1番ホールが右OBのホールならどうするか?
答えは簡単で、ドライバーのフェースを思い切り左に向けて引っ掛けフックを打つか、ショットウッドやユーティリティなどロフトのあるクラブを使うことです。
ロフト角が多いクラブほどつかまりが良くなるので、右OBまで行くことはないでしょう。
ゴルフ場によっては、打席練習場がないところもあると思います。
そういう場所でも、スタート前には体が動きやすいように準備運動をしたり、パッティング練習を必ず行うようにしましょう。
②トラブルを徹底的に避ける
トラブルとは、OBや池、バンカーなど、スコアメイクの妨げになるものすべてを指します。
特に罰打(ペナルティ)が課せられるOBと池は、スコアメイクのために徹底して避けなくてはいけません。
100切りに限らず、僕たちアマチュアゴルファーのスコアを左右するのは、間違いなくOBや池です。
よく「スコアメイクはアプローチとパッティングだ」と言われます。
確かにそれを否定するつもりはありませんし、間違いなくスコアメイクに大切です。
しかし、100以上のスコアを叩くときには、必ずといっていいほどOBや池に打ち込んでいると思います。
OBや池は、入れただけで1ペナルティ。ましてやOBは、「距離のペナルティ」まで課せられます。
徹底してトラブルを避けることが、100切りにもっとも効果的なスコアメイクの鉄則です。
だから私は、ティショットはたとえ飛ばなくても、フェアウェイにいることがとても大事だと考えているんです。「トラブルショット」を挟まず、心に波風が立たない同じリズムのスイングを続けることによって、必ずプレーのリズムもよくなっていきます
引用:ラウンドレッスン日本一のプロが教える「ゴルフ脳」|小野寺誠著
なお、ティーショットでトラブルを避ける方法については、ドライバーのOBをゼロにする対策法【3つのテクから道具選びまで】で詳しく解説していますので参考にしてください。
③飛距離より方向
これは何度か耳にしたことがあるかもしれません。
飛距離よりも方向性を重視するのは、100切りに限らずすべてのスコアメイクに共通する鉄則です。
特にドライバーショットでは、「少しでも距離を稼いでセカンドショットを楽にしたい」と思うかもしれません。
しかし、多くの人が力んでしまい、OBに打ち込んだりチョロを打ったりします。
ティーショットの目的は、セカンドショットが打てる場所に置くことです。決して飛距離を稼ぐものではありません。
もしも飛距離を優先するなら、もう一度スコアメイクの意味を再確認する必要があるかもしれません。
参考記事 100切りに必要なドライバーの飛距離【飛距離を求めると失敗する】
④ダフリよりトップ
理由は、ダフリは距離をロスしますが、トップなら前に進むからです。
100切りできない人に多いミスショットが、次のとおり。
- アイアンのダフリ
- フェアウェイウッドのチョロ
- アプローチでザックリ
これらはすべてダフっているのが原因で、大きく距離をロスするので「実質1ペナ」です。池に入れたのと変わらないということですね。
アプローチのトップはグリーンオーバーするのでパターで代用するとして、アイアンやフェアウェイウッドは「トップして転がればOK」の気持ちを持つことが大切だと思います。
わかりやすく言うと、芯を食った180ヤードも、トップして転がった180ヤードも「結果は同じ」ということです。
ダフリを徹底して避けることが、100切りのスコアメイクのポイントです。
ダフリを防止するには、スイングを変えるよりも「ソールを浮かせて構える」のが手っ取り早いです。
特に「今日はダフリが多いな」と朝の練習で感じたら、アイアンのソールを浮かせて構えてみてください。きっとダフリが激減すると思います。
参考記事 アイアンは浮かせて構えると上達のヒントが見えてくる
⑤余裕あるクラブ選択
スコアメイクを阻む考え方に「目一杯のクラブ選択」があります。
どういうことかと言うと、たとえば7番アイアンで150ヤード飛ばせる場合、グリーンまで残り150ヤードの状況で7番アイアンを選択する、というものです。
間違っているように感じないかもしれませんが、7番アイアンで150ヤード「飛ばせる」という点がポイントです。
クラブ選択の基本は、「飛ばせる」ではなく「狙える」です。
つまり、150ヤード先にターゲットを定めたら、そのターゲットを高確率で狙えるクラブを選ぶべき、ということです。
たとえば、7番アイアンのフルショットで打っても、飛ばすのが精一杯で右や左にそれる確率が高くなるでしょう。これではスコアメイクになりません。
であれば、1~2クラブ大きめを選び、6~7割の力感でスイングするべきです。この力感なら、余計なサイドスピンが入らないのでコントロールが向上します。
かつて「球聖」と呼ばれたボビー・ジョーンズは、クラブには最大・標準・最小の3つの距離があると述べました。
そして、スコアメイクには標準と最小の2つの距離しか必要ない、と語ったそうです。
もし今のあなたが、5番アイアンで160ヤードと考えているなら、それはあなたの5番アイアンの最大飛距離が160ヤードだということです。しかし、最大飛距離を打つショットというのは、コースで使うべきショットではありません。
引用:月いちゴルファーが、1年でシングルを目指す方法|久富章嗣著
先ほど、同じ飛距離なら弾道の良し悪しは関係ないとお伝えしました。
100切りに大事なのは、「150ヤードなら7番アイアン」という先入観を捨てることです。
⑥パーオンさせない
「パーオンはスコアメイク基本だ!」と考えている人にとって、意外な提案かもしれません。
大切なのは、多くのゴルファーが「無謀なパーオン狙い」に失敗してスコアをロスしているという事実を知ることです。
プロやトップアマのパーオン率はどれくらいかご存知でしょうか?
賞金ランクトップのプロで約7割、アマチュアだと3~4割でトップクラスだと言われます。平均スコアが60~70台前半のゴルファーでも、パーオンは難しいということですね。
だとすれば、100切りにパーオンは必要か?
というより、むしろパーオンさせないくらいの気持ちが、100切りのスコアメイクの鍵です。
なぜなら、パーオンを狙うと「飛ばそう」とか「乗せないといけない」という不要なプレッシャーが襲い、ショットの精度を著しく低下させるからです。
僕たちがプレーするゴルフ場のパー4は、多くが350ヤード前後です。
たとえば「3打でグリーンに乗ればいい」と考えたとき、8番アイアンで120ヤードを3回打てば届く計算です。
こう考えると、100切りのスコアメイクにフルショットは必要ないことがわかると思います。
基本的には、パーオンを狙わずに1打多い「ボギーオン」を前提にスコアメイクする。そして、ボギーオンを狙ってたまたまパーオンできたら「ラッキー」くらいで捉えておくと、心に余裕ができてプレーに集中できると思います。
【80台も出せる】ダブルボギーを打たない秘訣と3つの対策でお伝えしていますが、ボギーオン狙いを徹底すると100切りだけでなく80台も視野に入ってきますよ。
⑦サンドウェッジは「使用禁止」
100切りできない人の中には、グリーン周りからのザックリ(ダフリ)でスコアメイクに苦しんでいるという人もいると思います。
また、アプローチが思ったほど飛ばず、ピンよりもずっと手前に止まり超ロングパットが残ってしまったという経験もあるかもしれません。
これらはすべて、アプローチでサンドウェッジを選んでいるのが原因。今すぐにでもサンドウェッジを「封印」しましょう。
なぜかというと、実はサンドウェッジはロフト角が大きすぎて、芯に当てるのがとても難しいクラブだからです。
そのため、打つたびに飛んだり飛ばなかったりするので、距離感が出ません。
100切りのアプローチの基本は、ランニングアプローチです。
何年か前に、58度のサンドウェッジと7番アイアンの2本でそれぞれアプローチを100球打ち、どれだけピンに寄るかを試したことがあります。
結果は、7番アイアンの「圧勝」でした。
サンドウェッジだとダフれば即死ですが、7番アイアンなら多少ダフっても前に転がっていきます。つまり「大ケガしなくて済む」というわけです。
使用クラブは7番でも8番でも、転がせるならパターでも構いません。
クラブを短く持ち、芝の上をほうきで掃くように打つ。これが、100切りに必要なアプローチの基本です。
✓バンカーもサンドウェッジが不要なケースがほとんど
もしかすると、「バンカーではサンドウェッジが必要になるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、【簡単】バンカーが出ない原因と一発で脱出するための3つの秘策でお話したように、よほど身長ほどもある深いバンカーでない限り、アプローチウェッジやピッチングウェッジの方がバンカーショットの成功率は高いです。
理由は、サンドウェッジはロフトが多すぎて砂を前に飛ばせないからです。
一方で、ロフトが立ったクラブの方が砂を前に飛ばせるため、ボールを出しやすくなります。
「高さが出るか心配」と思うかもしれませんが、そもそもピッチングウェッジでもロフト角は45度程度あるので、脱出には十分です。
騙されたと思って、ぜひやってみてください。バンカーショットがとても簡単になると思います。
⑧パターはタッチだけ
「スコアメイクの4割がパッティングである」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これは、ゴルファーのスコアに占めるパット数の平均がだいたい40%くらい、というデータから導き出されたものです。
パッティングに重要な要素として、方向性とタッチ(距離感)の2つがあります。
では100切りに必要なのはどちらかというと、僕は圧倒的にタッチだと考えています。
理由は次のとおり。
- 3パットのリスクが少ない
- 入れたい欲が減る
- ラインの読みが正確になる
距離感(タッチ)が合うと、カップを大きくオーバーしたりショートすることがないので、3パットのリスクが必然的に減ります。
また「タッチさえ合わせておけば大丈夫」と思えば、入れたいという欲を抑えることができるので、変なプレッシャーを感じずにストロークできます。
そして最も重要なのが、タッチを合わせることで将来的にラインの読みが正確になっていく点です。
しかし、実はタッチがつくれなければラインは読めないし、正しいラインを教えてもらっても、タッチがつくれなければラインに乗せることはできません。パッティングはタッチありき、タッチをつくることが何より大切なのです。
引用:ゴルフ 次のラウンドから結果が出るパッティングの新しい教科書|小野寺誠著
この本は、パッティングの基本的なグリップや打ち方だけでなく、スコアメイクに欠かせないグリーンやラインの読み方を詳細に解説している本です。読むだけでもスコアは大きく変わると思うので、繰り返し読むことをおすすめします。
参考記事 パターの強さはジャストタッチがいい?それとも強め?
⑨救済ルールを熟知する
ゴルフのルールというのはゴルファーを律するだけではなく、救済の意味合いも濃いものです。
ゴルフは「あるがままの状態」でプレーするのが基本ですが、実はスコアがお得になる救済制度がたくさん存在します。
たとえば、あなたがバンカーでいつも脱出できずに3回も4回も打っているとします。
しかし、ルール上「アンプレヤブル」を宣言すれば、2罰打でバンカーの外から打つことができるのです(※正確には、カップとボールを結んだ後方線上のバンカー外。1クラブレングス以内にドロップ)。
他にも、木の根元やカート道路、排水口など、さまざまな救済ルールがあります。
中にはペナルティを払わなければならないものもありますが、困難な場所から何度も打って損をするより、打ちやすい平坦なところから打つ方が結果的にスコアメイクになります。
⑩「やればできる」と信じる
最後はメンタル面でのスコアメイクの鉄則になります。
ゴルフのスコアアップを阻む3つの考え方【メンタルコーチから学ぶ】の中で「メンタルバリア」というものについて触れました。
メンタルバリアとは、簡単に言うと「自分の中に作る壁」のことです。
たとえば次のような思考です。
- 運動センスなんてないから、100切りは無理だ
- もう年だから、飛距離はあきらめよう
- 練習回数が少ないから、スコアが悪くても仕方がない
これらは、すべて「思い込み」にすぎません。
もちろん肉体的な限界を超えるのは無理な話ですが、年を重ねてからも100切りはおろか、90切りや80切りを果たし、シングル入りするのは絶対に可能です。
要は自分の中にあるメンタルバリアを取り払い、「自分もやればできる」と思えるかどうかです。
プロゴルファーは、1勝もできずに表舞台から消える選手がほとんどだといいます。
しかし、30歳後半になって1度も優勝したことがない選手が、1勝をあげた途端に何勝もするというのは珍しい話ではありません。
これは彼の「きっともう優勝はできない」というメンタルバリアが外れ、「自分でもできるんだ」という自信を取り戻した結果なのです。
ゴルフにおいて「終わり」を迎えてしまう人は、「自分は年をとりすぎてしまった」「もう若い人のようには自分は打てない」といいはじめた人のこと。そういう人はジムに通うことをやめ、人生の終わりを受け入れ、「固定されたマインドセット」になってしまうのです。
引用元:ゴルフ メンタルゲームに勝つ方法|マイケル・T・ラードン著
まずは、「絶対にできる」と自分に言い聞かせましょう。
そして今回お伝えしたスコアメイクの10箇条を何度も読み返し、ぜひ100切りを達成してください。
そうすれば「自分にもできる」という自信がつき、90切りや80切りという次のステップに進めるはずです。
100切りに必要な練習をしましょう
おさらいすると、スコアメイクとは目標スコアを認識し、それを達成するために必要な行動することでした。
100切りという目標を設定したら、それを達成するためには合理的な練習が必要です。
繰り返しになりますが、100切りにナイスショットは不要です。250ヤード近いドライバーショットも必要ありません。
必要なのは、今回お伝えした「スコアメイクの10箇条」だけです。
そして、この10の鉄則が理解できれば、自ずと練習内容は決まってくると思います。
まとめます。
- 朝練は必須
- トラブルを徹底的に避ける
- 飛距離より方向
- ダフリよりトップ
- 余裕あるクラブ選択
- パーオンさせない
- サンドウェッジは「使用禁止」
- パターはタッチだけ
- 救済ルールを熟知する
- 「やればできる」と信じる
お互いにレベルアップに向けて、前を向いてがんばりましょう!