「アイアンの弾道が低くキャリーが出ない。」「弾道が低すぎて7番アイアンも5番アイアンも飛距離が変わらない。」
上記の悩みを持っている方。
アイアンの弾道が低いと、グリーンでボールを止められなかったり、池越えやバンカー越えでキャリーが出せずに苦労することが多くなります。
そして何より飛距離が出ないので、「今すぐ何とかしたい」という方も多いと思います。
そこでこの記事では、アイアンの弾道が低い原因と、番手通りの高さとキャリーを出す方法を解説します。
番手通りの弾道高さを獲得し、キャリーを出せるようになれば、飛距離がアップするだけでなくロングアイアンも打てるようになるので、ゴルフが楽しくなりますよ。
アイアンの弾道が低い理由
アイアンの弾道が低いのは、「インパクトでロフトが立ちすぎているから」です。
そして、なぜロフトが立ちすぎるのかと言うと、次の4つに原因があります。
- ボール位置
- 上体が突っ込む
- シャットフェース
- 上から打ち込む意識が強い
ボール位置
基本事項として、弾道の高さはボール位置で決まります。
下画像がわかりやすいかと思います。
おおまかなイメージだと、下記の通りです。
- スタンスより左:高弾道
- スタンス中央:中弾道
- スタンスより右:低弾道
ボールを右に置くほどロフトが立つので、自然と弾道が低くなります。
ちなみにボール位置で弾道高さを変えるテクニックは、アプローチでも役立つと思います。
このあたりはアプローチが上がらない原因で詳しく解説していますので、よければ参考にしてください。
上体が突っ込む
たとえボールをスタンス中央に置いても、打つときに体が左に突っ込むと、ロフトが立って弾道が低くなります。
いわゆる「軸ブレ」ですね。
下図はイメージです。
原因として左への過度な体重移動や、飛ばたい「力み」があります。
シャットフェース
シャットフェースが飛ばない理由で書いたのですが、シャットフェースの度合いによってロフトが立ちすぎて、弾道が低くなります。
シャットフェースは強い球が打てる、ボールがつかまるというメリットはあるのですが、弾道高さを出すにはそれなりのヘッドスピードが必要です。
上から打ち込む意識が強い
ダウンブローに上から打ち込む意識が強いと、弾道が低くなります。
たしかに「アイアン=ダウンブロー」が正しいのですが、打ち込むようにやると失敗します。
※今回のテーマとは違うので、ダウンブローの軌道についてはダウンブローを素振りでマスターする際の注意点をご覧ください。
上から打ち込むプロもいますが、そもそも相当ヘッドスピードがないとボールは上がらないです。
アイアンの弾道を高くする方法
対策は次の通りです。
- ボール位置は左胸の前
- 軸回転を意識
- テークバックでのフェースの向きに注目
- 芝を擦るように
- しなりで飛ばす
それぞれについて詳しく説明します。
ボール位置は左胸の前
アイアンの弾道が低い方は、ボール位置が右寄りすぎる可能性が高いです。
アイアンは左胸の前を基準にすると、適正な弾道高さを得られると思うので試してみてください。
人気プロコーチの中井学さんは「心臓の前」と表現していますね。
ボールの位置は基本的には左ワキの前ですが、左ワキを基準にするとちょっと難しいので、心臓の前あたりにボールがあればOKと考えてください。(中略)
ボールを心臓の前に置くのは7番アイアンや5番ウッドでも同じです。
軸回転を意識
過度な体重移動で上体が突っ込むタイプの人は、軸回転を意識すると弾道高さを適正にできます。
つまり、コマのようにその場でクルッと回転するということです。
かつてローリー・マキロイ選手は「(狭い)電話ボックスの中でスイングする」と表現しましたが、まさにそんなイメージです。
テークバックでのフェース向きに注目
アイアンの弾道が低い方にチェックしてもらいたいのが、テークバックでのフェース向きです。
もし腰の高さで、背中の角度よりもフェースが下を向いていたら、シャットが強すぎかもしれません。
理想的なフェース向きは、「背中と平行~トゥが12時」の間です。
弾道が低い方は、腰のポジションでトゥを真上(12時)に向けるようにテークバックすると、適正な弾道高さを得られる可能性があります。
芝を擦るように
正しいダウンブローは、上から打ち込むのではなくて、低く長いインパクトです。
そのためには、芝の葉先を擦るようにサラッと打ちます。
すると、番手通りのロフトでインパクトできるので、弾道高さが適正になります。
このときボールの真下ではなく、左足前の芝を擦るように意識すると、ちょうどいいダウンブローで打てると思います。
しなりで飛ばす
イメージがわきづらいかもですが、実はアイアンはスイング中に「しなり」が起きています。
そして、「しなり」が上手に使えるようになると、アイアンで高弾道の飛距離が出るボールが打てるようになります。
イメージだと、下の感じです。
フェースが上を向いて、さらに力強いインパクトになります(これを「逆しなり」と呼びます)。
逆しなりを使えるようになると、軽く振っても飛びます。
一般男子より女子プロが飛ぶのは、実はシャフトのしなりの使い方が上手いからなんですね。
逆しなりは、ダウンスイングでグリップを減速させることで発生するのですが、詳しくはゴルフはインパクトで止める!打ち方や注意点は?で解説しています。
柔らかいシャフトのアイアンを使うと、逆しなりのイメージがつかみやすいと思います。
アイアンの弾道が低いならユーティリティも視野に
特にロングアイアンの弾道が低いなら、ユーティリティに変更することも考えた方がいいと思います。
なぜかというと、ロングアイアンで番手通りのキャリーを出すには、それなりのヘッドスピードが必要だからです。
ヘッドスピードが40くらいだと、5番アイアンはしんどいかもしれません。
特に最近のストロングロフト化で、5番アイアン以降はどんどんフェースが立ってきています。
ちなみに僕もアイアンは6番までで、5番以上はユーティリティで代用しています。
このあたりは5番アイアンの代わりにユーティリティをすすめる3つの理由でお話しているので、よければ読んでみてください。